LEADERSHIP STRATEGY

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米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)は今月1日、本社をカリフォルニア州サンノゼからテキサス州ヒューストンに移転すると発表した。

1939年にカリフォルニア州パロアルトで設立された同社は、ここ数カ月の間にシリコンバレーを後にしたテクノロジー企業の中でも特に大きく、名の知れた企業の一つだ。

新本社となる約5万3000平方メートルのキャンパスは、エクソンモービルの本社もあるヒューストン北郊の計画都市スプリングウッズビレッジに建設され、フィットネスセンターやヨガのための芝生エリア、薬局を備えた施設となる。重要な研究開発(R&D)部門はサンノゼに残しつつ、ヒューストンを事業運営と雇用の中心とする方針だ。

同社の第4四半期決算報告書には、「ヒューストンは将来の多様な人材を採用・保持する上で魅力的な市場で、当社は現在、最先端の新たなキャンパスを建設中だ。サンフランシスコのベイエリアは今後もHPEのイノベーションの戦略的な中心であり続け、当社はベイエリアのいくつかの拠点をサンノゼのキャンパスに集約する予定だ」と説明した。

この動きは、特に意外なものではない。同施設は2月に着工しており、同社これまで長年にわたりヒューストンで大きな存在となってきた。しかしこれは、テック業界に今後起きる大きな変化の前触れかもしれない。

米ビッグデータ解析企業パランティア・テクノロジーズも今年、パロアルトからコロラド州デンバーへと移転した。またドロップボックスはサンフランシスコからテキサス州オースティンに移転したし、ツイッターやスクエアは従業員が希望すれば無期限の遠隔勤務を許可する方針を示した。

遠隔勤務の普及により、多くの会社がベイエリアに物理的な拠点を置くことの必要性について再考を迫られたのは事実だが、実際の背景ははるかに複雑で、技術やインフラ、専門分野の労働市場、そしてもちろん税金といった面での環境変化が要因となっている。

地理的な変化を促している大きな要因の一つは、クラウドコンピューティングの出現だ。クラウドのインフラ基盤として必要な「サーバーファーム」(大量のサーバーが設置されている場所)には、ベイエリアよりも安い土地と電気が必要だ。こうしたサーバーファームは全米各地に建設されており、バージニア州ラウドン郡のデータセンターアレーなどのハブに建てられているものもある。

編集=遠藤宗生

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