ライフスタイル

2020.12.06 12:00

米メディア各社が「めずらしく褒めちぎる」新型スバルBRZの別モノ感


アメリカの有力媒体「カー&ドライバー」は、「11%のパワーアップは嬉しい。やはり、BRZはパワー不足でした。旧型の205hpから228hpに上がったところは多くの顧客を満足させるでしょう。ちなみに、トルクは15%上がっている。デザインも旧型よりキャラがはっきりしているし、エッジや開口部を強調したスタイリングが格好いいこのスペックで、手頃なスポーツカーの王者であるマツダ・ロードスターと本格的に勝負できるでしょう」という。

前方から見たBRZ

また、「ドライビング・スポーツTV」は、「新型は旧型よりボディ剛性がかなり上がっているので、珍しくトランクを閉めた時の音の響きが2ランク上のドドーンという重い音なのが嬉しい」と語る。

ところで、スバルが大人気のオーストラリアでは、辛口のメディアが多い。カーズガイド・ドット・コムという有力ウェブサイトは実際に新BRZに乗るまでわからないけど、新しいエンジン・スペックは良さそうという。そして「ターボが欲しいうるさいユーザーは重要なことに気付くべき。BRZはパワーが決め手じゃない。軽快なハンドリングこそ決め手だ。ターボをわざわざつけないで、コストを抑えたという事実を評価しなさい」と示唆する。

3万ドル(約300万円)以内の価格をキープするらしいので、顧客はきっとショールームに駆けつけるに違いない。つまり、顧客からの「パワー不足」の批判にちゃんと答えていると思う。

「今回のBRZはなかなか良い」とアメリカのオンラインの「スケッチ・モンキー」がいう。「より低い回転数でより高いトルクが発生しているので、パンチ力が全然よくなっている。リアのリップスポイラーは非常にデザイン性がよく、テールデザインを引き立てている。問題点はほとんど直っているけど、ひとつだけ言わせてもらう。新BRZの問題は、Cピラーとリア・ホイールアーチの2本の線がちょっと弱いので、車はあまり自信がないように見える」と指摘。

後ろから見たBRZ

外観はとっても格好良くなった。よりスポーティになって引き締まった感じ。内装もよりスポーティで上品になっている。本革やアルカンタラなどのクオリティの高い素材を使っているし、インパネの真ん中に配置された8インチのタッチスクリーンは最新のテクノロジーを駆使している。

そこで正直に言うと、アメリカでスバルで一番売れているフォレスターやアウトバックは、そういう風にメディアに「褒められてない」のが現状だ。

いっぽう、基本的にこの記事に取り上げたメディアはすべてBRZのデザインパワーのアップグレード、室内の質感の向上を褒めている。今までに海外メディアがスバルのデザインに対して、そういう好意的な評価はなかったと思う。そこで、スバルのデザイン部にお願いがある。BRZで見せたデザインセンスをフォレスター、レヴォーグなどのラインアップにも応用して欲しいものだ。

横から見たBRZ

国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
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文=ピーター ライオン

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