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I study technology disruption in individuals, companies and societies.

Photo by Austin Distel on Unsplash

米誌インクの記事「Why Intelligent Minds Like Elon Musk and Steve Jobs Embrace the ‘No Silo Rule’(イーロン・マスクやスティーブ・ジョブズなどの賢人が“ノー・サイロ・ルール”を持つ理由)」では、私がこれまで企業環境での破壊の重要性を説明する際にたびたび直面してきた問題を取り上げている。その問題とは、組織全体でコミュニケーションが取れる企業文化を築く必要性だ。

革新的な企業とは、特定のテクノロジーに秀でた優秀な人材を集め、そのテクノロジーを製品やサービスに導入してもらうものと思うかもしれないが、その際に重要なのは専門分野への特化ではなく、組織全体に破壊の重要性を理解させることだ。

これは、インターネット、モビリティ、カスタマー志向、さらに現在の機械学習(マシンラーニング)で起きたことだ。破壊的テクノロジーを自社の製品やサービスに適用して持続的な競争力を付けられる可能性が最も高いのは、そのテクノロジーを従業員とも共有する企業だ。

共有する対象は全従業員──製品やサービスの企画、製造、提供、販売、アフターサービス、金融アーキテクチャ設計、サプライヤーとのやり取りなど、担当部門を問わず、全ての社員を含める必要がある。破壊的テクノロジーを導入したければ、全員が「何を(What)」、「どこで(Where)」、「なぜ(Why)」、「いつ(When)」、「どうやって(How)」の4W1Hを理解する必要がある。なぜなら、主体となる「誰が(Who)」は従業員自身になるからだ。

グーグルは、機械学習が自社の未来にとって必要不可欠であること、成功のためには全製品を機械学習に対応させる必要があること、そして自社の人工知能(AI)は競合他社よりも優れたものである必要があることを理解した際、全従業員に機械学習の重要性を理解させるトレーニングを受けさせることを直ちに決めた。次元は異なるが、フィンランド政府も同じアプローチを取った。AIが次世代のビジネスエコシステムにとって非常に重要になるのであれば、全員が少なくとも基礎を理解できるように国民を教育する必要がある、と。

もしあなたが組織を運営する立場にあり、破壊を組織文化の一部として取り入れたいのなら、立役者を数人採用してリソースを与えた上で、各部署に閉じ込めておくようなやり方ではいけない。そうではなく、AIや機械学習が仕事と直接関係のないように思えても、組織全体を教育することが大切だ。全従業員を巻き込みながら前進するためには、全員に目的をしっかりと理解させ、本当に重要なことに焦点を当てるしかない。実行しなければ、すぐに後悔することとなるだろう。

編集=遠藤宗生

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