カリフォルニア州でICUが逼迫状態、地域ごとの外出禁止発動へ

Justin Sullivan/Getty Images

米カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は12月3日、州全体への外出禁止令の発動を中止する一方で、地域ごとに外出制限を導入する方針を明らかにした。

新型コロナウイルスの感染者や入院患者が記録的な水準に達し、医療体制の逼迫が危惧される中、ICU(集中治療室)の空き容量が15%以下になった地域を対象に、自宅待機命令が出されることになる。

外出制限が導入された場合、少なくとも3週間の間、食料品の買い出しや医療機関の受診、個人での運動などを除く外出が禁止となる。バーやワイナリー、ヘアサロンも閉鎖される。

レストランは持ち帰りを除く営業が禁止され、小売店は収容能力の20%での営業継続が認められる。州の認可を受けた学校は、授業を継続する。

カリフォルニア州は、北カリフォルニア、ベイエリア、グレーターサクラメント、サンホアキンバレー、南カリフォルニアの5つの地域に区分され、地域ごとに別の規則が導入される。

現時点では、どの地域も基準値に達していないものの、州は来週にはベイエリアを除く全ての地域で、ICUの使用率が85%に達すると予想している。

ニューサム知事は数日前に、「このままの状況が続けば、一カ月以内に州全体でICUの収容能力を超える」と述べ、州全体への外出禁止令の発動を示唆していた。抜本的な対策を講じない場合、南カリフォルニアとサンホアキンバレーでは12月中に、ベイエリアは1月上旬までにICUが定員に達すると見通しだと、知事は述べた。

南カリフォルニアが外出禁止令を発動した場合、ロサンゼルス郡が11月30日に発表した制限は無効になる可能性がある。ロサンゼルス郡の命令は、強い批判を招いていた。

郡は「徒歩や自転車、自動車、公共交通機関などを用いた全ての移動」を禁止する一方で、音楽や映画、テレビ番組の制作、プライベートのゴルフ、収容人数の20%以下での小売店の営業などを禁止対象から除外し、住民らを混乱させていた。

編集=上田裕資

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