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2020.12.06 11:30

年収1億円のカメラマンも オンライン講座「Udemy」の破壊力


とはいえ、コッカリ自身は、パンデミック後に対しては慎重な姿勢を見せている。

「受講者の急増にしっかりと対応できるように、気を引き締めて取り組むしかありません。コロナ禍の収束後、世界がどうなっているかなんて誰にもわからないのですから」

ユーデミーで「年収1億円のカメラマン」


フィル・エビナー(30)は2019年、写真撮影の講師としてUdemyで50万ドル(約5250万円)を稼いだ。彼は今年3月、生まれてくる第三子のために育児休暇を取る予定でいたが、そこで起こったのが新型コロナのパンデミック。エビナーは、いても立ってもいられなくなった。

「とにかく世の中の力になりたかったんです」と話す彼は3月中旬、講座の一部を無料で公開し始めた。すると、数日で350万人が講座に登録。特に写真撮影と動画編集の講座にユーザーたちが殺到した。

そして登録者数が急増するにつれ、有料講座を受ける人の割合も増加。同月の収入は、前年同月の3倍に当たる9万2000ドルに達したという。4月は10万9000ドル、5月は10万2000ドル。このペースで登録者数が増え続けるようなら、2020年はUdemyだけで100万ドル稼ぐ見込みだ。

エビナーの講座の多くの受講料は200ドルだが、Udemyが提供する割引の対象になっている。同社の価格設定アルゴリズムは、ユーザーの所在地と閲覧履歴をトラッキングし、登録者数を最大化するよう設計されており、例えば、インドのユーザーが払うのは平均6ドル程度だ。Udemyは売り上げを講師と分け合うしくみなので、サイトで売り上げを得た場合、講師はUdemyとその額を折半することになる。

エビナーは講座の数を増やしている。彼は3月以降、デジタルマーケティングや、アラビア語を話す講師と一緒に運営するアラビア語版フォトショップ講座など、新たに3つのコースを開設した。

6月のある日、3人の子供たちと早朝の散歩に出かけたエビナーは、Udemyがいかに彼の人生を変えたかについて振り返った。

「始めたときから、宝くじを当てた予感があったんですよ」


ユーデミー◎2010年創業のオンライン学習のマーケットプレイス。「Udemy」は“you”と“academy”による造語。190カ国向けに65の言語で15万ものオンライン講座が公開されている。ユーザーによる講座開設に学位や教育機関の認定などは必要なく、動画の長さなど、Udemyが課す6項目の最低要件をクリアすればいい。現在のCEOグレッグ・コッカリは19年就任。

文=スーザン・アダムス イラストレーション=Kouzou Sakai 翻訳=岡本富士子(パラ・アルタ) 編集=森 裕子

この記事は 「Forbes JAPAN Forbes JAPAN 10月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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