圧倒的なイノベーションを起こすテクノロジーというのは、現在のインターネットがそうであるように、善にも悪にも使えるものだ。誤解して欲しくないのは、私はサトシのビジョンであろう分散化が善であり、中央集権化が悪であると考えているわけではない。
果たしてどちらの要素を含んだ「DX」が、国にとって、企業にとって、そして私たち一人ひとりにとって幸せな未来をもたらすのだろうか。
12年前に、誰も知らない誰かによって、すでにサイは投げられている。
だからこの連載を通じてさまざまな「DX」の事例や可能性を考察しながら、ポスト・デジタルトランスフォーメーションの世界では、どんな新たな強者が覇権を握っているのか、もしくは適度に分散化されたフラットな世界が訪れているのか、読者の皆さんと一緒に探っていきたいと思っている。
設楽悠介◎幻冬舎のブロックチェーン専門メディア「あたらしい経済(New economy)」を創刊。同社コンテンツビジネス局で新規事業や電子書籍事業、コンテンツマーケティング事業を担当。幻冬舎コミックス、エクソダス等の取締役も兼務。また複数企業の社外アドバイザーも務める。個人活動としてVoicyでビジネス系音声番組「風呂敷畳み人ラジオ」や、カルチャー系Podcast/YouTube番組「#欲望のSNS」等の数々のコンテンツの発信やコミュニティを運営。イベント登壇やメディア出演も多数。著書にビジネスを着実に実行に移すスキルを紹介した『「畳み人」という選択「本当にやりたいこと」ができるようになる働き方の教科書』(プレジデント社)。