深セン本拠のAutoXは、フィアット・クライスラー製のパシフィカミニバンを改造した25台の自動運転車両を各都市に配備し、同社のスタッフや招待客向けにサービスを行う。
ロイターの報道によると、同社は自動車メーカーの東風汽車集団や上海汽車集団からも支援を受けており、これまで深センや上海、広州、武漢、蕪湖などの都市で自動運転のテストを重ねてきた。
自動運転に取り組む企業の大半は、緊急対応を行う人間のドライバーを同乗させて走行テストを実施中だが、AutoXの今回の動きは、これまでのテストで同社のテクノロジーが一定の水準に達したことを示している。
AutoXは米国でも自動運転のテストを進めている。今年7月に同社は、アルファベット傘下のウェイモに続き、2番目にカリフォルニア州の公道上で完全無人運転を実施した企業となっていた。
中国ではトヨタが支援するPony.aiや滴滴出行などの複数の企業が自動運転テクノロジーを開発中だが、いずれの企業もセーフティードライバーを同乗させている。
AutoXによると、中国で人間のドライバーを乗せない完全自動運転車が公道を走るのは、史上初という。
バイドゥやWeRideなどの競合企業は中国で自動運転のテストを行う際に、遠隔地のコントロールセンターから緊急対応を行うが、AutoXはそのようなコントロールセンターを設置しないという。
AutoXのCEOのXiao Jianxiongはロイターの取材に、「現状の5G通信ネットワークは安定しておらず、遠隔地から車両を操作するために十分なインフラとは言えない。ハッカーが車両を攻撃する可能性もある」と述べた。