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グーグルでは、この心理的安全性の確保こそが、ビジネスにおける問題解決のプロセスの基盤とされている。この図を見れば明らかだ。

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出典:https://rework.withgoogle.com/print/guides/5721312655835136/ 

すなわち、1. (心理的安全性)互いの前で安心してリスクを取り、隙を見せることができる、2.(信頼性)メンバーは要求される高水準(グーグルスタンダード)を満たしつつタスクを期日に終わらせることができる、3.(構造と明確さ)メンバーは明確な役割と計画、そして目標を持てる、4.(意義)1人1人の仕事は全員にとって重要な意味を持ち得る、5.(影響力)メンバーは自分の仕事が重要であり、変化を創造すると考えることができる、というプロセスである。

「さらに、グーグルでは『適性診断』のようなイベントを頻繁に行っています。オフサイトなどの一環として、チーム全員で診断を受けて、どんなメンバーがいるのか、うまく協業するにはお互いにどのように接すればいいのかをわいわい楽しみながら話をして、チームワークを醸成します」

チームメンバーの性格を「分析型か、感情型か」といった具合にプロットするという。そのデータも利用し、互いの違いを理解した上で「安全」を感じあうのだ。

こうしたあらゆる「安全基盤」に立って協働することでこそ、全体は部分の総和よりも大きくなる。すなわち、チームでより大きな仕事ができる。

S氏はまた、以下のようにも言う。

「グーグルはコミュニティ意識が他の企業より高いなとも感じます。『グーグルの社員である』というプライドは世界各地のグーグル支社に共通だと思いますが、とくにシリコンバレーの場合、マイクロソフト、アップル、フェイスブックなどの名だたるIT企業があるなかで『企業理念や働き方に共感し、あえてグーグルを選び、また選ばれてここに集っている』という感覚が、帰属意識につながっているのではないでしょうか」

そんな帰属意識は、退職後のネットワーク形成にも一役買っていて、グーグル卒業生「Xoogler (ex Googler)」のベンチャーコミュニティもあるという。

意思決定の「権限意識」も、捨てる


S氏によれば、転職も多いこの業界で、他社からグーグルにきた際にも、「捨てる」ことが好ましいことがあるという。それは「エゴ」と「意思決定の権限」だ。

まずは「エゴ」について。S氏には、グーグル本社に転勤してまだ日の浅い頃、上司から言われた、忘れられない一言があるという。

アマゾンでサプライチェーン、物流オペレーションを担当していたS氏は、グーグルにおいても当然、社内向けの在庫管理プロセス改善、システム構築のエキスパートだ。そんな経験や知見から、オペレーションのチームメンバーに、最善の運用方法、システム構築の方法について「手ほどき」をしていたつもりが、ある時上司から「教えるな」と言われたというのだ。

取材=石井節子

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