3500社に導入され、満足度No.1の受付システムに至るまでには、受付嬢として11年で120万回もの受付を行ってきた代表取締役CEO橋本真里子のこだわりや思いが詰め込まれている。
受付嬢しかしたことなかった橋本がどのように受付システム「RECEPTIONIST」を作ったのか──。その背景に迫った。
11年の受付嬢経験で見えた課題
私はIT企業5社の受付嬢として、11年に渡って従事してきた中で、ITで様々なものが進化していくのを間近で感じながら、企業の受付はその波から取り残されていると感じていました。
訪問客に手書きで受付票を書いてもらい、顔見知りであっても毎回名刺を頂戴する。担当者へは電話で取り次ぐなど、アナログな作業が残り続けていました。
忙しい人ほど離席しているため、直接来客を伝えられるケースの方が少なく、毎回代理で内線に出てくれる人の業務を妨げてしまっているのでは…。こういった不便さを感じ、とても効率が悪く、「この現状を変えたい」と思ってきました。
このデジタル化の時代になかなか変化が見られなかったのは、受付が派遣社員など外部の人材が多く、課題が見えにくかったのかもしれません。
全スキルをつぎ込んで、快適な受付システムをつくるために起業
次のキャリアを考えた時に、受付の仕事を愛し、誇りを持って10年以上続けて来たのは私の一番のスキルではないか。『このスキルをきちんと形にして、世の中の役に立ちたい、今まで支えてくれた方々に恩返しがしたい』と思うようになりました。
●「受付にITを導入すれば、業務の効率化とデータ化による価値につながるのではないか」
●「11年という経験から学んだ全スキルを注ぎ込めば、絶対に快適で便利な受付システムが作れる」
●「世の中の課題を解決するサービスは、その課題をちゃんと理解した人が作らなければ、本当に便利なサービスはできない」
受付の仕事に長く従事してきた自分は、「日本一の受付嬢」と自負がありました。
「だったらその私が新しいサービスを立ち上げなければ」、そんな使命感を抱いて、起業を決心しました。
作りたいプロダクトは明確でしたが、私は受付嬢しか経験したことがありませんでした。 プロダクト作りに必要なコーディングの技術もなければ、プロダクト作りに関わったこともありません。
受付システムをリリースするためには協力してくれる仲間が必要で、さらに仲間を集めて一緒に仕事をしてもらうには資金も必要だったので、私は一人で資金調達と仲間集めに走り回っていました。
起業して3ヶ月は受付嬢と起業家の二足のわらじを履き、走り回る日々を送っていました。