ビジネス

2020.12.05

エアビーアンドビーの「3.6兆円」上場で生まれる3人の富豪たち

Airbnbを共同創業者したジョー・ゲビアとネイサン・ブレチャージク、ブライアン・チェスキー(Getty Images)

エアビーアンドビーは12月1日、待望のIPOに関わる目論見書の最新版を提出した。同社は上場にあたり、1株44ドルから50ドルで5190万株を売り出す予定で、28億ドル程度の調達を目指している。価格レンジ上限でのエアビーアンドビーの時価総額は、350億ドル(約3兆6600億円)近くに達することになる。

2020年のその他のテック系企業のIPOの推移を考えれば、同社の上場初日の株価が目標IPO価格を超えたとしても決して不思議ではない。

エアビーアンドビーを共同創業者したブライアン・チェスキーとネイサン・ブレチャージク、ジョー・ゲビアらの3人はぞれぞれ、彼らの持ち株の1%未満の約63万株を売り出す予定であり、その価値は価格レンジの下限で約2800万ドル相当になる。

これにより、CEOのチェスキーは上場後に約11%の株式を保有することになり、その資産価値は少なくとも34億ドルとなる。一方で、最高戦略責任者のブレチャージと最高プロダクト責任者のゲビアらは、10%弱を保有しており、2人の持ち株の資産価値もそれぞれ31億ドル以上となる。

パンデミックによる旅行需要の減少で、エアビーアンドの売上は落ち込み、ピーク時に310億ドルだった評価額は180億ドルにまで低下した。そのような状況下で、同社がIPOに向かうのを大胆な試みと考える人も居るが、同社と株主らは、近い将来に需要が戻り、業績が急回復することに賭けているようだ。

エアビーアンドビーの2020年の最初の9ヶ月間の売上は25億ドルで、昨年から48%減少した。そして損失は7億ドル近くに及んでおり、昨年から53%増加した。

しかし、同社は第3四半期に2億1900万ドルの純利益を報告し、第2四半期の5億7560万ドルの純損失から反転し、急回復する兆しを見せている。

チェスキーとブレチャージク、ゲビアの3人は2008年にサンフランシスコでAirbnbを設立した。起業のきっかけは、デザインカンファレンスの開催中にホテルが不足する中で、サンフランシスコを訪れる人々に自分たちのアパートを貸し出したことだった。3人はまず、3つのエアーマットレスを購入し、そのアイデアを 「エアベッド・アンド・ブレックファースト」と名づけたのだ。

編集=上田裕資

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