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米国のビリオネアたち(10億ドル以上の資産を持つ人々)は、その圧倒的多数が新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる影響をいっさい受けていないどころか、そのあいだに資産が増加していたことが判明した。米シンクタンク「政策研究所(IPS:Institute for Policy Studies)」の研究者チャック・コリンズ(Chuck Collins)が実施した新たな調査で、米国のビリオネアの資産総額は2020年3月からこれまでに1兆ドル以上も増え、増加率が34%を超えたことが明らかになったのだ。

こうした現象は、2008年の金融危機など、過去の深刻な経済危機が発生した際には起こっていない。2010年頃まで続いた大不況(グレート・リセッション)では、フォーブス長者番付「フォーブス400」に名を連ねる富豪たちが、被った損失を取り戻すのに3年近くを要している。

今回の調査結果は、米国全体で650人という、ごく少数のビリオネアたちの資産に焦点を当てている。それが腹立たしく感じられるのは、パンデミックをめぐる緊急措置として発令されていた「家賃滞納者の強制退去を禁止するモラトリアム措置」が年末に終了することになっており、700万人近い米国人が立ち退きの危機に瀕する状況にあるからだ。

ビリオネア650人のうち29人は、2020年3月18日から11月24日にかけて資産が倍増した。また、ビリオネアの数は36人増えている。資産減少や死亡によって11人がリストから外れた一方で、47人が新たに仲間入りしたためだ。

資産額が驚くほど増えた著名ビリオネアもいる。アマゾンのジェフ・ベゾスは、3月18日から11月24日にかけて資産が700億ドル増となり、現在の総資産額は1824億ドルだ。最も驚異的な伸びを見せたのが、テスラとスペースXの最高経営責任者(CEO)イーロン・マスクだ。3月18日から11月24日にかけて、マスクの個人資産額は246億ドルから1262億ドルに増え、413%の増加率となった。

今回の分析によると、米国のビリオネアが保有する資産は現在、合計で4兆ドル近くに上る。これは、米国の世帯資産総額のおよそ3.5%にあたる。ビリオネアの総保有資産は、米国の下位50%の世帯(およそ1億6000万人)が保有する資産をすべてまとめた額の2倍となった。

米連邦準備制度の推定では、米国の個人保有の資産額は現在、およそ112兆ドルだ。上位1%がそのうちの34兆2300億ドルを、上位2%から10%の範囲の人が43兆900億ドルを、10%から50%の範囲の人が32兆6500億ドルを保有する。下位50%の保有額はわずか2兆800億ドルだ。

パンデミック以降、米国のビリオネアの資産額はどう変化したか


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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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