挑戦する人と挑戦する企業をつなぐ、Forbes JAPAN 初の採用ブランディング

SaaSを提供する多くの企業はPMF(プロダクトマーケットフィット。プロダクトに満足して、継続利用してくれるユーザーが右肩上がりで増加している状態)に至るまでに紆余曲折やハードシングスを経験している。

今やSaaS界のリーダーとしてあらゆる産業で導入されているセールスフォース・ドットコムも、例外ではない。

今回紹介するのは、金融業界や公共機関へのクラウド導入を推進するセールスフォース・ドットコムで常務執行役員 エンタープライズ公共・金融営業統括本部長を務める田村英則。

田村は金融業界に「クラウド」という言葉がまだ浸透していなかった時代に、カスタマーサクセスを追求し、新たな市場を開拓してきた。

ただ、その過程は険しく、金融業界で長年のキャリアを重ねてきた彼でさえ、セールスフォース・ドットコムに転職してから1年は思うような結果が出せなかったそうだ。

「一貫して徹してきたのは、マーケットで必要とされる人材になること。職場が変わっても顧客や部下から頼られる存在になることを考えてきました」

そう回想する彼が歩んできた軌跡。そして、未開の市場を切り開く秘策とは──

歴戦の猛者ですら苦労した1年目。いかに乗り越えたのか


長年にわたり金融業界を担当する営業としてキャリアを重ねてきた田村。

彼が「金融機関の開拓」という期待を寄せられ、セールスフォース・ドットコムに金融営業部長として参画したのは2015年4月のこと。メガバンクをはじめあらゆる金融機関とネットワークのあった田村だが、転職当時は成果に結びつかない日々が続いていたと当時を振り返る。

「私がセールスフォース・ドットコムに転職した当時、金融機関の顧客は非常に少なく、ほぼゼロからマーケットを開拓する必要がありました。しかし、膨大な顧客情報を扱う金融機関にとってクラウドサービスはセキュリティの障壁もありまだ未知のソリューション。培ってきた人脈を辿ってIT部門の責任者やCIOにお会いしても、『導入は難しい』と言われる時期が続いていました」

そこで田村は営業戦略を見直し、巻き返しを図る。IT部門の責任者やCIOではなく、ビジネス部門のエグゼクティブにアプローチ先を変えたのだ。

さらに、事前に顧客の課題を分析し、解決に向けたソリューションを事例と共に提案する手紙をしたためインサイドセールスと協力して顧客アプローチに臨んだ。結果アポイントメントの獲得件数が一気に向上し、1日7〜8件のアポイントメントを獲得できるほどになったそうだ。

国内の金融システムの安全性向上に向けた調査を行うFISC(公益財団法人金融情報システムセンター)がクラウド導入に向けたガイドラインを作成したことも追い風となった。また、フィンテック企業がモバイル決済サービスなど金融機関と競合するサービスを安く提供するようになり、銀行にもクラウド化へのニーズが生まれたのだ。

一方、1日あたりのアポイント件数が増えたことで、1件あたりの商談時間は30分に減った。そこで田村は初回アポイントの目的を変えることにした。

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「お客様との最初のミーティングではゴルフなどお客様の関心のある話を中心に会話をして、信頼関係をつくることに専念しました。その後、エグゼクティブだけでなく、現場責任者も含めて当社に招き、じっくり弊社のプレゼンやデモを行う約束をする。デモの後で、当社の近くにあるお店で懇親を深めるステップを踏んだのです。これにより、新規契約数が大幅に向上しました」

田村が担当する金融機関との取引では組織同士の付き合いが大前提。エグゼクティブの判断だけで、導入の承認を得られるケースは決して多くない。現場責任者からも「YES」を引き出す田村の戦略は顧客の性質を理解した妙手であった。

導入の理由を知ってもらい、顧客の要望に応える


田村が実践したのはもちろん手紙を書くことや懇親会をセットすることだけではない。お客様がSalesforceを導入した理由や背景にあるストーリーを、他のお客様にも知っていただけるよう様々な案件の記事広告を出稿するようにしたのだ。

「当時、まだ金融業界ではクラウドに対する気運が高くありませんでした。他社のクラウドソリューションも同じく苦戦を強いられていたと思います。そのようなマーケットに対して毎月お客様の事例を紹介するところで差別化を図ろうと考えました。

さらに、業界専門誌とタイアップし、私とユーザー企業のご担当者の方が全7回で対談する連載企画も功を奏し、『Salesforceを使ってよかった』という声を金融業界の潜在顧客層に届けることに成功しました。結果、金融業界内での認知度も上がっていったように思います」

田村はコミュニティ形成にも注力した。箱根に金融業界のエグゼクティブを招き、各社がそれぞれナレッジや導入事例について紹介する1泊2日のセミナー合宿を行うことにしたのだ。

「当時、金融業界のエグゼクティブが一同に集まって情報交換する場は日本にほとんどありませんでした。そのような背景もあり、合宿は大成功。講演会の後の懇親会でお客様同士がつながり、様々なビジネスが生まれたようで、『来年もぜひ開催してほしい』という声が多く寄せられました」

そういったリクエストに応え、田村は3年連続でセミナー合宿を開催。1年目は参加した15社中5社が顧客になり、翌年は昨年参加した15社含め20社が参加。15社が顧客になってくれたという。

顧客の要望に応え、マーケットを拡大していく彼のスキルはこれまでのキャリアの中で培われた。

金融営業として新卒でNECコンピューターシステムに入社した田村。スマホも地図アプリもない時代、新規開拓営業をミッションとしていた彼は紙の地図を広げ、都内に300ほどあった信用金庫や組合全てに印をつけ、全ての顧客に電話をかけアポをとっていった。それでも、最初の3年間はほぼ売上0の状態。4年目にしてようやくある信用金庫から契約を獲得した。

手応えをつかんだ田村は6年目で、「日本で最も大きな金融機関と取引がしたい」という想いから日本ディジタルイクイップメント(当時)に転職。メガバンクの担当を任される。

その後、ビジネスブレイン太田昭和やSAPジャパンでの金融マーケットの立ち上げを経て、ヒューレット・パッカード(現:日本ヒューレット・パッカード)へ。

そこで当時から存在感を放っていた、現セールスフォース・ドットコムの代表取締役兼社長の小出伸一や、副社長の古森茂幹に出会う。この出会いが後にセールスフォース・ドットコムに転職する大きなきっかけとなった。

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地域活性化の鍵は、自治体、地銀、そして観光のDX


田村は、2020年から公共領域の開拓も兼任している。

セールスフォース・ドットコムが近年注力している地域の活性化を実現するためには、地方の中小企業を盛り上げることが欠かせない。そのために地方にある自治体、地銀、観光を横断的にカバーすることで新しいビジネスを創出し、市場を拡大しようとしているのだ。

コロナ禍では市民からの問い合わせが殺到した千葉県船橋市の保健所において、迅速に市民を支援するために短期間で業務を効率化できるクラウドベースの業務支援パッケージの導入を決定。田村たちは市の要請を受け、わずか1週間でクラウドパッケージを無償で導入した。

コロナ禍で同じように急増する市民からの問い合わせに対応するための情報管理や共有に課題を抱えていた自治体は多く、最終的に40もの自治体が新規でSalesforceを導入。さらに、「特別定額給付金」の受付後から給付までの一連の申請管理や進捗確認を行うための「特別定額給付金管理システム」を東京都荒川区向けに構築するなど、急を要する自治体のDXにも迅速に対応した。

最後に今後の展望について聞くと、田村はこう教えてくれた。

「今年、三井住友フィナンシャルグループが設立したプラリタウンという会社と業務提携契約を締結しました。財務経理、営業、人事、法務、企画など、中小企業の業務をDXするあらゆるビジネスアプリやサービスをワンストップで提供する法人向けデジタルプラットフォームを構築しています。

直近の目標としては、当社と金融機関のそれぞれの強みを生かし、国内の中堅・中小企業のデジタル化を加速していきたい。そして、中小企業の変革を推進する金融機関のDXも同時に推進できたらと思います。

もうひとつは、JTBと連携した地域産業の活性化。今、GoToトラベルキャンペーンにより、地域に行く人が増えています。しかし、商店街や温泉旅館のDXが進んでいないので、観光客も『安く行けてよかった』で終わってしまい持続性が乏しい。

例えば、クーポンをデジタル化できれば、どこで、誰が、何を使ったか一目瞭然になり、地域のお店から観光客に適切なタイミングで適切なマーケティング施策を打てるようになります。CRM観点で観光を盛り上げるプラットフォームを構築し、地域、そして日本全体を活性化したいと思います」

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