はじまりは新卒3年目の「意図しない転職」。人生と仕事の関係性を模索した20代

Rapyuta Roboticsで働いている 徳永康彦氏


「英語でビジネスをする」という意味で、海外でのMBA留学は理想的なステップの一つだとずっと感じていた。

そうした思いがあったので、多忙のレベルを超越していたものの地道に留学への準備を続けていた。土日は基本勉強、平日も終電帰りでなければ自宅近くのマクドナルドで勉強。勉強は苦ではなく癒しだった。忙しい日々から離れ、集中していると気分がリフレッシュしていた。

そして2013年、無事に合格。素直に嬉しかった。米国アリゾナ州にあるThunderbird School of Global Management(サンダーバード国際経営大学院)という、かなり特色のある(※)大学院に行くことに決めた。そのため、2013年6月でグリーを辞めて、米国に旅立つことにした。

※同校は少人数制かつ外国人留学生比率が70%を超える。長い歴史があり卒業生には、アルヒ(ARUHI)代表取締役会長兼社長 CEO兼COOの浜田宏氏、デジタルハーツホールディングス 代表取締役社長CEOの玉塚元一氏、Forbes JAPAN Web編集長の谷本有香等。

悔いのない選択をすることの大切さ


グリーを退職するとしたとき、ありがたいことに引き止めをしていただいた。「まだ若いし昇進も昇給もできる」と当時の部長に言ってもらい、実はほんの少し迷ってしまったのだ。

当時は貯金のために実家に住んでいたので、母親にぼそっと「ほんの少し迷っている」と言ったところ、真っ向から否定された。

「何言ってるの!?せっかく受かったのに、今行かないでいつ行くの!?今でしょ!ぜっっったい、後悔するよ」

と言われたのをよく覚えている。たしかに、もし留学に行かなかったら間違いなく人生で後悔していただろう。

グリーでの2年と数ヶ月はとてつもなく濃いもので、この経験があったからこそ次の経験に活きたと実感している。

まず、グローバル展開の難しさ。日本から世界へと、挑戦する企業は多い。しかし、それに成功している企業はとても少ない。勝つための戦略は何か?どうやって実行するか?そして結果を出す。これが困難を極める。

グリーにいた当時、海外展開を実行するための計画を出せと言われても自信を持って出すことは出来なかっただろう。そして、自分には現地で戦える戦闘能力も足りないこともわかった。だったら、ここから2年間、一気に修行するしかないと踏ん切りもついた。

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文=徳永康彦

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