はじまりは新卒3年目の「意図しない転職」。人生と仕事の関係性を模索した20代

Rapyuta Roboticsで働いている 徳永康彦氏


この経験から、強く意識するようになったことが2つある。

キャリアを「自分の意思」で選べるような人材になること。もう1つは、外的変化があっても自立できる人間になること。これはその後に起きたリーマンショックや東日本大震災、そして現在のコロナショックにも通ずる教訓だったと思う。


友人との旅行先で

「30歳までにMBA留学」を実現したかった理由


2011年4月、グリーに入社した。非常に濃密な経験をした外資系の開発・ITコンサルティング企業を退職した翌月だった。

当時のグリーは超がつくほどの急成長を迎えていた。

社内の活気がすごく、一緒に働くメンバーも非常に若くて優秀な人ばかりだった。ものごとの進み方が尋常ではないくらい早く、サービス展開、組織の拡大など、毎週同じことが無いくらい早いペースで変化していた。

そうした社内の雰囲気についていくのに本当に必死だったし、今振り返ってみると正直ついていけていたのか分からない。とにかく自分がぽんこつに感じ、「時間でカバーするしかない」と思う自分がいた。でも不思議なことに、ほとんど辛くなかった。

企業の成長が目に見え、チームの雰囲気もかなり良い。そういう時、どれだけ働いても苦ではないと感じることがある。当時は独身だったからこそできた働き方だったかもしれない。

しかし、体調に異変を感じることも何日かあり、自分をマネジメントできていなかった。こうした経験から、体調を崩すほど働いても正直何も戻ってこない、という学びもあった。

そのようにハードに働きながらも、かねてから実現したい夢があった。それが30歳までにMBA留学をすることだ。

その理由の一つが、英語だ。

私は「英語」に何度も救われてきた。グリーへの就職やその他の仕事でもそうだが、大学受験、高校でのサマースクール参加など、あらゆるところで英語がカギになった。

特に日本では、「英語が話せるとチャンスが舞い込んでくる」というのが確固たる事実である。

得られるチャンスが増えるという意味で、英語ができることはキャリアで有利に働くと思っている。例えば日本の労働市場では、TOEICのスコア分布を見ると、895点以上を取ると上位4%以内に入れる。(参考データ・参照:TOEIC公式ホームページ)

ただし、ここでいう英語というのは、英語でビジネスができるというのが本質だ。それができれば、いたるところでチャンスを得られる。私もまぎれもなくその一人である。当時から、今後はよりいっそう国際感覚をもった若い世代が増え、英語でビジネスができるのが当たり前の世界がくると感じていた。

今、私が勤めている会社もそうだし、わかりやすい例で言えば、楽天やユニクロもそうだ。

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文=徳永康彦

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