アメリカ・デルタ航空やユナイテッド航空、ANA・JALなど世界中の航空会社が今期数千億円規模の赤字を記録。タイ国際航空は、立て続いた業績不振に加え、新型コロナウイルスの猛威が決定打となり、2020年5月に破産申請を行なった。
地上で味わう機内食サービス
そんななか、少しでも収益をあげようと、タイ航空が20年9月に本社オフィス店で始めた"機内食サービス"が面白い。搭乗さながら、タラップを登って2階店内に入ると、設置されているのは実際に飛行機で使われているシート。そのユニークな空間で、ユニフォームを着た客室乗務員が機内食をサーブしてくれる。
本社オフィス店で始まったタイ国際航空の機内食サービス
パイロットや客室乗務員と写真撮影できるなど、スタッフの手厚いもてなしが人気だという。好評を受けてシーロムオフィス店でも営業を開始。本社オフィス店では7:00〜14:00まで、シーロムオフィス店では6:30〜14:00まで毎日営業。
一部メニュー
一部メニュー
メニューはロイヤルファースト、ロイヤルシルク、エコノミーから選ぶことが可能。エコノミーメニューは99バーツ(約340円)と手頃なものも。カレーライスやポーク、ロブスターバーガーなど多彩なメニューが揃っている。※3日前までに要予約 ※シーロムオフィス店はアラカルトメニューのみ
ロイヤルシルクメニュー
ファーストクラスのフルコースは1990バーツ++(約6800円。『++』は、7%の消費税と10%のサービス料金が加算されるという意味。つまり税サは17%)となっており、エコノミークラスはセルフサービスで200バーツほど。シーザーサラダやパスタだけでなく、各国料理が準備されており、お昼の営業のみながら1000人が訪れるという盛況ぶりだ。
乗客がフライト気分を味わえるだけでなく、乗務員やスタッフの働く場の提供ともなり得る。苦境の航空会社において、機転の効いた対応だと言えるだろう。