今までであれば「普通」の暮らしをしてこられた「普通の女性」が貧困にあえぐようになった。作り話ではなく、これが現代日本のリアルといえる。
「風俗嬢の見えない孤立」(光文社新書)の著者である角間惇一郎氏は、大手ゼネコン企業で建築士として働いたのち、2年間、性風俗店に勤めながらキャストの実態調査を実施。これまでに5000人以上の風俗嬢と関わった経験を持つ。
以下、同書から一部引用し、数字で見る「性風俗業界のリアル」を紹介する。
「性風俗」の平均月収は16日で82万、7日で18万?
「性風俗」という働き方を選ぶようになった人は、増えている。だが意外と知られていないのが「いくら稼いでいるの?」「どれくらい働いているの?」ということだ。その実態はどうなっているのだろうか。
性風俗店で働く女性の支援を行う一般社団法人GrowAsPeople代表・角間惇一郎氏の著者『風俗嬢の見えない孤立』によると、風俗店で働く女性全体の平均月収は約40万円となっている。世代別に見ていくと、18歳~22歳は81万9200円、23~27歳は55万8000円、28歳~32歳は49万9200円、33~37歳は39万5850円、38歳~42歳は26万6000円、43歳以上は18万2000円とのこと。
世代別に見ていくと、大きくバラつきが。理由は風俗店という性質上若い女性が尊ばれること、そして年齢が上がっていくにつれて身体的に無理がきかなくなり出勤日も減ることにあるのだそうだ。風俗店の多くは給料制ではないので、出勤日が減っていくことは減収に直結していくのだ。
実際に働いている稼働日数を見ると、平均では約12日となっている。世代別に見ていくと18歳~22歳は16日、23~27歳は12日、28歳~32歳は13日、33~37歳は13日、38歳~42歳は10日、43歳以上は7日となっている。
貧困の蔓延と時を同じくしてブラック企業が跋扈し、多くの「普通の人」が疲弊している日本。賃金の上昇や長時間労働の是正・生産性の向上が叫ばれている中、これらの数字を皆さんはどうご覧になるだろうか。
※この記事は、角間惇一郎氏の新刊『風俗嬢の見えない孤立』(光文社新書)から引用したものです。