GAPは11月24日、第3四半期における全社の既存店舗売上高が5%増加したと発表した。好調を牽引したのは、傘下のディスカウントチェーンだ。
全事業の5分の3近くを占めるブランド「オールドネイビー」の既存店舗売上高は17%増を記録した。オールドネイビーで消費者は何を買っていたのだろう? 売上が55%も跳ね上がったのは「アクティブ系の商品」だった。
また、アスレジャーをテーマにしたGAP傘下のアパレルチェーン「アスレタ」は、売上こそ全体の7%にすぎないが、既存店舗売上高は37%増となり、ブランド史上最高記録を打ち立てた。
オールドネイビーとアスレタを合わせた売上の割合は、現在は全社売上の63%だが、2023年までには70%まで増加するとGAPは予測している。
2ブランドの好調は、第3四半期に30%急落した「バナナ・リパブリック」とは対照的だ。後者の需要の低下は、「在宅勤務における消費者の好みが、会社用のフォーマルな服から、よりカジュアルなものにシフトした」結果であると、GAPのソニア・シンガルCEOは財務報告で説明した。
シンガルはバナナ・リパブリックの今後について、テーラードスーツなどのカテゴリーを削減しつつ、「ラウンジ、スリープ、アクティブ、フリース、セーター」により重点をおくと述べた。
ノードストロームも、同じく11月24日に財務報告を行なった。そして、全体の第3四半期売上が16%減と低迷するなかで、「アクティブ」のカテゴリーが「飛躍的成長」を遂げたと述べている。
ノードストロームのライバルであるメイシーズも11月中旬、衣料品全体の売上はまだ低調であるものの、消費者がおもに購入している「カジュアルでアクティブなカテゴリー」に軸足を移す意向を示した。
ティーン向けの衣料小売チェーンであるアメリカン・イーグル・アウトフィッターズは11月24日、傘下の下着・ラウンジウェアブランド「エアリー」の第3四半期売上が34%増を記録したと発表した。同ブランドは昨年も26%の伸びを示しており、社名を冠したアメリカン・イーグル・アウトフィッターズのブランド売上高が11%減に沈んだのとは対照的だ。