スマホのカメラ技術の最先端を行くファーウェイは、2021年のフラッグシップモデルに最新の「リキッドレンズ(liquid lens)」を搭載する見通しだ。リキッドレンズは、アップルやサムスンらを上回るカメラ性能を実現し、人間の目に匹敵するフォーカス速度と、従来のカメラを超える手ブレ補正を可能にすると見られている。
スマホの性能指標の一つである、Antutuベンチマークを発表するAntutu.comの報告によると、ファーウェイは従来の光学ガラスの代わりに、電圧によって形状を変える液体をレンズに用いるという。液体レンズは、光学レンズを大幅に上回るスピードでフォーカスを調整可能で、衝撃にも強いとされる。
スマホのカメラ性能を評価するDxomarkベンチマークによると、今年最も優れたカメラ性能を実現したスマホは、約350ミリ秒でフォーカスの調整が可能だった。一方で、ファーウェイのリキッドレンズは、わずか数ミリ秒でピントを調整できるという。
ただし、リキッドレンズは全く新しい技術ではない。2011年に発表されたコーニングのB617と呼ばれるリキッドレンズも、同程度の性能を持つものとされていた。しかし、ファーウェイは競合メーカーに先駆け、このテクノロジーを市場に投入する準備を整えた模様だ。
ファーウェイがこれまで、カメラ関連のイノベーションで他社に先行してきたことを考えると、競合メーカーが同じ仕様を実現するのは、まだ先のことになりそうだ。ただし、同社のリキッドレンズが、実際どの程度の性能を持つのかは、現時点ではまだ分からない。