他方で、スラックの創業者であるスチュワート・バターフィールドは、以前立ち上げたフリッカーが2005年にヤフーに買収されたことを快く思っていなかった。買収は結局実を結ばず、同社は13年後に売却された。
新型コロナウイルスの流行は企業のコミュニケーション方法を永遠に変え、Zoomに代表されるビデオ会議や、メッセージや共同作業用のアプリの利用がニューノーマル(新たな日常)となった。これを自社の成長に必要不可欠なものとして捉えているセールスフォースにとって、スラックは魅力的な存在だ。
スラックは高度なメッセージアプリとしての能力に加え、柔軟なAPIによりさまざまなタイプのアプリケーション(プロジェクト管理、チケット販売システム、メッセージ、ドキュメント共有など)との統合が可能で、高度な企業コミュニケーションシステムの構築を可能にするツールだ。つまり、スラックのオープンプラットフォームのポリシーが、セールスフォースの創業者マーク・ベニオフの考えととても似通っているため、両社の統合はとても面白いシナジーを生む可能性があることは間違いない。
セールスフォースとスラックの交渉はかなり進んでいるものとみられ、向こう数日内に決断が下されるだろう。