Zoomを使ったセミナーでは、60年近い彼のガイド人生と日本のインバウンドの歴史がユーモアたっぷりに語られた。
ガイドの途中で「空中りんご斬り」を披露
岡田さんが英語通訳案内士としてガイドを始めたのは、初めての東京五輪開催の2年前である1962年。現在は、人生で2回目となる自国でのオリンピックを、現役ガイドとして務め上げたいというのが、彼の目下の願いだという。
毎週土曜日、岡田さんは京都で外国人観光客相手に「Cool Kyoto Walking Tour」と銘打たれたツアーを行っている。
ユニークなのは、彼のいでたちとコースの中身だ。自らサムライの姿に扮して、京都の寺院や商店街を観光客と一緒に練り歩くのである。そして、立ち寄った寺の境内では、「空中りんご斬り!」を見せ場とする、サムライショーを披露する。
地元のおばあさんに呼びかけられ、自慢の髭までいじられても笑顔で対応
この型破りなガイディングは、海外から訪れた多くの観光客を魅了してきた。そんな岡田さんのツアーは地元でこうも呼ばれている。
「京都観光に旋風を巻き起こす! ラストサムライショー」
現在は新型コロナウイルスの感染拡大のため、ツアーは中止されているが、筆者は今年1月初旬、外国人観光客を連れて京都市内を案内する岡田さんのツアーに参加させていただいた。
集合場所は京都市役所前。オンライン予約してきたイタリアやスペインからの観光客数名を引き連れて、彼は歩き出した。
「わしのやっているツアーでは、有名どころはあんまり行かない。お寺や商店街を約4km、5時間かけて歩くだけ。その間、商店街では軽い食事もするがね」
「軽い食事」と言っても、実は、庶民の台所として知られる上京区の出町桝形商店街を歩き、地元の人たちと会話を交わしながら、各店で「試食」を楽しむことなのだ。
商店街のカフェでツアー客と一緒にランチタイム
岡田さんに、ツアーが人気を集めている理由について聞くと、「まあ、わしが落語しながら歩いているみたいなものだからね。お客さんはずっと笑っていますよ。もう60年近くガイドをやっているから、笑いのつぼはたいてい定型化されていて押さえているんだ」と嬉々として答える。