買収の成立に向けては当局の承認が必要であり、条件の詳細は明らかにされていないが、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、Kustomerの評価額が10億ドルをやや上回る水準だと述べている。
Kustomerのシステムは、複数のプラットフォームにまたがる顧客のテキストやEメールなどのインタラクションを、一つのスクリーンにまとめる機能を持つ。
フェイスブックは、ワッツアップなどのメッセージで顧客に接触する企業が増加したことを受けて、今回の買収を決定したという。
2015年設立のKustomerは、これまで累計1億7350万ドル(約180億円)を調達している。クランチベースのデータによると、同社の出資元リストにはTiger Global ManagementやCoatue、Battery Ventures、Redpoint、Canaan Partners、Social Leverage、Cisco Investmentsなどの名前が並んでいる。
フェイスブックは、同社のメッセージングアプリに既に導入済みの、他社のCRMツールの活用も継続していくと述べている。
Kustomerを採用した有名企業としては、レント・ザ・ランウェイやGlossier、Ring、 Untuckitなどがあげられる。
今回の買収は、傘下にインスタグラムを持つフェイスブックが、スモールビジネスのハブになろうとする取り組みの一環だ。同社は今年5月に、オンラインショップの開設を促進するプラットフォームのFacebook Shopsをアナウンスしており、インスタグラムも直近のアップデートで、Shopタブをホーム画面に設置した。
フェイスブックの広告売上は今年、314億ドル(約3.3兆円)に達する見通しで、ビジネス顧客にアピールすることは今後の収益確保において非常に重要な意味を持つ。