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2020.11.30

多品種栽培を可能にし、研究と生産を連動させる理想的な植物工場が始動へ

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植物工場スタートアップの「プランテックス」は、クボタを引受先とした第三者割り当て増資による資金調達を実施した。

今回調達した資金は、プランテックスの旗艦事業となる新方式植物工場(マザー工場)を建設・運営するための資金として活用される。マザー工場の建設・運営を通じて、植物生産システムが、効率的かつ安定的であることを実証するという。また、農業機械メーカー大手のクボタとの連携を強めることで、植物工場の企画・建設事業を国内外で推進していく。

プランテックスの目指す姿


植物工場は、「省スペース・省資源で農村・都市を問わず、異常気象等の外部環境に左右されることなく、食と健康と安全・安心を提供できる」能力を持ち、食糧不足や環境問題など人類が抱える諸課題の解決に貢献する可能性を持っている。

一方で、実用化して間もない植物工場の生産技術は発展途上の段階だ。

プランテックスは、高度なスキルを持つエンジニアリング企業として、植物工場の可能性を引き出した植物栽培装置と植物成長管理システムを開発するとともに、植物生産事業および研究開発事業の両面で利用されるプラットフォームを、様々な産業界への提供を目指している。

プランテックスの栽培装置


同社が独自に開発した栽培装置は、栽培棚ごとに独立した密閉方式で、装置内部に空調や養液循環システムを組み込んでいる。そのためこの栽培装置は、各棚の栽培環境を高精度に制御することができるという。これにより用途別に植物工場向けの大型栽培装置、研究開発向けの小型栽培装置の2種類を提供できる。

まず、大型栽培装置を用いることで、一般的な人工光型植物工場に比べ、生産の安定性と面積あたりの生産性を同時に高めることができる。また、栽培装置を複数台並べることで、同一工場内で複数の栽培環境を設定できるため、一般的な人工光型植物工場では難しかった多品種栽培に対応できる。


(密閉方式の大型栽培装置)

また、同社は、小型栽培装置を用いて、機能性野菜や薬用植物などの高付加価値植物の栽培に関する研究開発も行っており、栽培環境を高精度に制御することで、植物の栄養成分や薬用成分を高めることを目指している。

小型栽培装置と大型栽培装置は独自開発の植物成長管理システムと連動することで、栽培環境および植物生育に高い再現性を持つ。その結果、小型栽培装置で見出した高付加価値植物の栽培条件を、大型栽培装置による植物生産に直ちに適用することが可能に。このように、同社の栽培装置を用いることで、研究開発から生産までをシームレスに繋げることができる。

プランテックスの取り組み


同社は2019年より東京都中央区京橋に密閉方式の大型栽培装置を設置し、葉物野菜を生産している。その野菜は、東京都内の大手スーパーマーケットで販売され、消費者から高い評価を得ている。今回調達した資金を活用してマザー工場を建設・運営し、野菜の生産量を拡大していく。

また、小型栽培装置を多数設置した植物栽培研究所(仮称)の設立を予定しており、大学、企業、研究機関と連携し、栽培品種の多様化、機能性野菜や薬用植物などの高付加価値植物の栽培に関する研究開発を加速していく予定だ。


(植物栽培研究所のイメージ)

プランテックスは、密閉方式の栽培装置を用いて、従来の植物工場にはできない植物生産を実現し、植物工場産業を革新したいと考えている。


プランテックス 企画室
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PR TIMESより

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