ビジネス

2020.11.30 06:30

クルーズ運航最大手カーニバルは、倒産を回避できるか


忘れてはならないのは、新型コロナウイルスの感染拡大当初にカーニバル上層部が、乗客乗員が感染する危険性があると知りながらクルーズ船を出航させたとして非難を浴びたことだ。ブルームバーグの報道によれば、クルーズ運航の世界最大手であるカーニバルは2020年3月に新たな出航を停止したものの、それ以前に適切な安全対策を講じていなかったため手遅れとなった。その結果、乗客乗員1500人以上が新型コロナウイルスに感染する事態となった。

ドナルドが正さなくてはならないのは、バランスシートだけではない。同社が運航するクルーズ船上で、新型コロナウイルスの大規模な集団感染が発生したことで、企業の過失と船舶の安全性について大きな疑問が呈されている。ドナルドは、主力であるカーニバル・クルーズのほか、コスタ・クルーズ、ホーランド・アメリカ・ライン、プリンセス・クルーズなど錚々たる豪華クルーズ・ブランドを統括している。

新型コロナウイルスの感染者が、米国だけでなく世界全体で急増しているなかで、CDCは最新ガイドラインでクルーズ船運航各社に対し、運航開始にあたっては、乗客乗員の検査や検疫、隔離のための手順を明示するよう義務づけている。パンデミックの現状と、カーニバル株価が年初来で60%ほども下落していることを踏まえると、将来的に倒産する可能性はいまだ消えていないように見える。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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