ビジネス

2020.11.28 11:00

東京駅「虫グルメフェス」に行ってみた 記者の「昆虫食」満腹レポート

コオロギが1〜2割入っている3種のハンバーグ

コオロギが1〜2割入っている3種のハンバーグ

虫を食べた経験はあるだろうか? 筆者も郷土料理にバッタの佃煮があったり、ハチの幼虫が珍味とされていることは知っていたが、今まで口にする機会がなかった。そんなところに、身近で昆虫料理の味見ができる絶好の機会が訪れた。

東京駅地下1階、「グランスタ地下北口」近くのイベントスペース「スクエア ゼロ」で11月29日まで「虫グルメフェスVol.0」が開催されている。

虫グルメフェスの写真を見ると、コオロギの入ったハンバーグや、はちのこおにぎりなどは外見上いつも食べているものとそう変わりない。だが、オオスズメバチ幼虫のバターソテーは、言ってしまえば「姿造り」である。果たして、どんな味がするのだろうか。一抹の不安を感じながら、会場へと向かった。

イベントの初日、満腹になるまで昆虫料理を食べたレポートをお送りする。

まずは和食 おにぎり・吸い物・お茶に昆虫


まず、このイベントの実行委員会とYouTubeチャンネル「バグズクッキング 昆虫食&虫料理」がコラボしたオフィシャルキッチンのブースで「はちのこおにぎりセット」(700円・1日200食)を食べる。セットにはコオロギのお吸い物とカイコのフン茶がつく。


はちのこおにぎりセット(コオロギ吸い物・カイコのフン茶付き)

おにぎりははちのこを混ぜご飯にして握ってある。まさに佃煮なのに、甘辛い味付けの具はぱりぱり、さくさくした食感で面白い。

お吸い物はコオロギ出汁。コオロギと昆布と合わせた出汁パックが発売されているとその日の話で聞いていたが、今まで飲んできたお吸い物と比べてうま味成分はまったく遜色ない仕上がりだった。

カイコのフン茶については説明が要るだろう。もともと蚕砂(さんしゃ)という名の漢方薬で、未消化の桑の葉とカイコの消化酵素などでできた黒い粒である。あわてて飲んだらかなりの高温で驚いたが、「粒が沈んでから飲んでください」という言葉に従って待ってから飲むと、なるほど桑の葉の風味があるような。口の中もさっぱりした。

「姿造り」はビールのおつまみによさそう



オオスズメバチ成虫のドライフーズ

続いて、いよいよ「姿造り」。生の冷凍昆虫食材を提供する「はまる食品」の、オオスズメバチ成虫のドライフーズ(700円・1日30食)と、コオロギとバッタの素揚げミックス(700円・1日30食)。このあたりはもう完全にスナックだった。だが、未知の味わいで言い表す言葉が見つからない。あまり似てもいないのだが、今までの経験で一番近いのは酒のおつまみの、揚げたそら豆だろうか。やはり、ビールのおつまみにちょうどよさそうだ。


コオロギとバッタの素揚げミックス(イナゴ・バッタ・コオロギ・オオコオロギ)

そして、サゴワームとオオスズメバチ幼虫のバターソテー(700円・1日30食)である。醤油をたらして出してもらった。サゴワームはヤシを食い荒らす害虫、ヤシオオオサゾウムシの幼虫で、バターソテーを食べてみると、頭と尾がさくさくして、あとはやわらかく、中の方に汁気があった。それよりもサイズが小さくなるオオスズメバチの幼虫は、少しレバーっぽい味がしたかも。


サゴワームとオオスズメバチ幼虫のバターソテー調理中

「姿造り」については、お店の前で怖がる女性もいる一方で、「おいしそう」と抵抗なくパクつく女性も。私は、きちんと調理されているし、むきえびみたいなものだとあまり気にせず食べた。以前、長距離を飛び続けるスズメバチのスタミナ源であるアミノ酸を配合したというスポーツドリンクを飲んだことがあったので、これで元気が出ればいいなぁと思っていた。
次ページ > ハンバーグやスイーツにアレンジ

文・写真=縄田陽介

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事