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Juan Carlos Toro / by Getty Images

ジョン・レノンとオノ・ヨーコは1969年、英領ジブラルタルで結婚した。レノンはこの場所を選んだ理由について「静かでフレンドリーで、英国だ」からだと語っていた。

ジブラルタルは欧州で唯一、野生の猿が生息している場所で、川は一切流れていない。米国人が結婚式を挙げる場所として観光業が再び栄え始めているが、奇しくも離婚率は世界トップレベルだ。

ジブラルタルは、スペインから地中海の入り口に突き出した小さな半島に位置する英国の海外領だ。南北5キロ、東西1.2キロの土地に約3万人が暮らしている。非常に小さな場所で、道路の総延長はわずか29キロだ。

ジブラルタルはまた新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下で、米国や英国からの観光客に人気の旅先となった。アクセスの良さや温暖な地中海気候、米国からの訪問者に対する入国規制の緩さが要因だ。

英国からは航空便を利用でき、到着に際して新型コロナウイルスPCR検査の陰性結果を提示したり、一定期間にわたり隔離生活をしたりする必要はない。

米紙ニューヨーク・タイムズが報じたところによると、多くの米国人がこの夏、結婚のためにジブラルタルを訪れた。今夏には米国と各国の間で渡航制限措置が取られたものの、ジブラルタルはその対象とはならなかったことが理由の一つだ。各国では集会人数に制限が設けられたため、カップルの多くは静かでロマンチックな旅先としてジブラルタルに向かった。

ジブラルタルは、婚姻手続きが簡素なことで知られてきた。ジョン・レノンがここでの結婚を選んだ理由の一つは、フランスでは結婚前に国内に2週間滞在していることが条件とされていたことにあった。ジブラルタルで必要なのは2人のパスポートと出生証明書の提示、結婚前後のどちらか1晩をジブラルタルで過ごすことだけだ。婚姻証明書は3週間以内に郵送され、世界中で有効となる。

多くのカップルが、結婚後もそのまま新婚旅行としてジブラルタルに滞在する。ここにはユネスコの世界遺産に登録されている洞窟群や、水中岩礁、素晴らしいダイビングスポットがあり、有名な「ジブラルタルの岩」にはフランスとスペインの征服軍進軍に備えて英国が武器を運ぶため掘ったトンネルも残されている。ジブラルタルの岩に登れば、対岸のモロッコ北端にあるヘベルムサ山を望むことができる。同山はギリシャ神話に登場する「ヘラクレスの柱」の一つだ。

ジブラルタルへの航空渡航制限は6月21日に全て解除されており、有効な渡航書類があればだれでも訪問できる。欧州連合(EU)の入域許可国リストに入っている国の人々は制限なしで訪問が可能で、現在リストにはアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス、オーストラリア、カナダ、ジョージア、日本、ニュージーランド、ルワンダ、韓国、タイ、ウルグアイ、中国が入っている。

編集=遠藤宗生

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