「長生きしたいなら唐辛子を摂取」、その研究結果を解釈する

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生活習慣行動を健康転帰と関連づけている研究は、そのほとんどすべてが、あくまで関連づけているにすぎず、それが原因だと証明しているわけではない。特定の食物に抗酸化物質やビタミンが含まれるといった生化学的な解釈を試みるにしても、食物の摂取に関連する因果関係を明らかにするのは、思った以上に難しい。

生活習慣行動と健康転帰について評価する際には、その人が摂取する他の食物、運動習慣、睡眠習慣、ストレスレベル、遺伝、喫煙や飲酒状況など、数多く存在する要因すべてが関係してくるのだ。

それに、唐辛子にはピリッと辛いというだけでない恐ろしい一面もある。唐辛子の辛味のもとになっている成分であるカプサイシンは、多量に摂取すると、吐き気や嘔吐、皮膚や目の焼けつくような痛みといった不快な症状を引き起こす可能性があり、吸い込むと呼吸困難にさえ陥る。カプサイシンは、護身用の唐辛子スプレーや催涙スプレーの多くに有効成分として用いられている。米国にある非営利団体「首都中毒センター(National Capital Poison Center)」のウェブサイトにも、毒物としてリストアップされているほどだ。

心臓発作、脳卒中、がん、あるいは原因を問わない死のリスクには、多くの要因が影響しうる。唐辛子が好きな人は、そのままおいしく食べ続ければいい。好きでない人は、あわてて食べ始める必要はない。

翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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