新型コロナ感染拡大が止まらない7つの理由

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米国ではほぼ毎日、新型コロナウイルスの感染者数が最多を記録し続けている。パンデミックが続くなか、そして季節が秋かから冬へと移るなかで、状況がなぜ悪化し続けてきたのか、その7つの理由について考えてみたい。

1. 湿度と気温の低下


新型コロナウイルス(SARS-CoV2)の感染は、湿度と気温の低下で拡大しやすくなると考えられている。湿度が下がり、空気中の水分が減少すると、飛沫はより小さく、軽くなる。含まれるウイルスの濃度が高くなった飛沫が、より長い時間、空気中にとどまるということだ。また、ウイルスは温度が下がると生存期間が長くなることも関連しているだろう。

さらに、気温や湿度が下がると、私たちの気道の状態も変化する。ウイルスなどを排出する機能が低下する可能性がある。

2. 事業活動・学校の再開


ロックダウン(都市封鎖)こそが「正解だ」という意味ではない。ただ、オーストラリア・クイーンズランド大学のイアン・M・マッケイ准教授(ウイルス学)はこの点について、次のように説明している。

──企業(や店舗)、そして学校には、物理的な距離を取ることや手洗いだけではなく、それら以上の対策が必要だ。さらに、施設の内部だけでなく、周辺のコミュニティーにおいても同様に対策を講じる必要がある。

だが、国全体としての、こうした対応が取られていない。“穴だらけ”の状態で事業活動や学校を再開すれば、より多くの問題を抱えることになる。

3. 集まる場所が屋外から屋内へ


屋外にいれば、換気の必要もなく、物理的な距離も取りやすい。だが、これらが自然に提供されるわけではない屋内では、換気を行い、人との距離を取る努力が必要となる。

4. インフルエンザなどの流行


インフルエンザやその他の呼吸器疾患を引き起こすウイルスの流行は、まだピークを迎えていないと考えられる。つまり、注意が必要なのはこれからだ。インフルエンザのワクチンは、接種しておいた方がいい。

5. 警戒心の緩み


ウイルスは目に見えない。仮に巨大なものであれば、人々の恐怖心や警戒心は、もっと高まっているだろう。目に見えない新型コロナウイルスへの感染は、一部の人を重症化させ、命を奪う一方で、軽症や無症状で済む人も多い。結果としてこのウイルスは巧妙に、自由に感染を拡大させている。
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編集=木内涼子

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