習近平がバイデンをようやく祝福、一方でロシアは「沈黙」

Noel Celis - Pool/Getty Images

中国の習近平国家主席は11月25日、米国の次期大統領のジョー・バイデンに祝電を送った。習主席はバイデンが勝利宣言を行った後も、数週間に渡り沈黙を守っていた。

中国外務省は13日の時点でバイデンに手短な祝辞を送ったが、トランプ大統領が選挙結果を覆すために抵抗を続ける中で、習主席は態度を表明していなかった。

バイデンに宛てた祝辞で、習は「健全で安定した両国関係の発展を推し進めることは、お互いの国の利益となるだけでなく、国際社会の共通の期待でもある」と述べた。

新華社通信によると、習はさらに両国が衝突や対立を避けて互いに尊重し合い、ウィンウィンな関係を築いていくことを希望すると述べ、「世界の平和と発展という崇高な大義を推進する」ために、相違点の調整にフォーカスすることを望むと述べたという。

報道によると、王岐山国家副主席も次期副大統領のカマラ・ハリス宛に祝電を送ったとされている。

世界中のほとんどの指導者がバイデンの勝利を祝福しているが、メキシコやブラジル、ロシアを含むいくつかの大国はまだ沈黙を守っている。背景には、トランプがいまだに選挙結果を覆す試みを続ける中で、米国との緊張が高まるのを避けたい意図があるものと考えられる。

ウラジーミル・プーチンとロシア政府は、米国内の「政治的な対立」が終わるまでは、バイデンの勝利を正式に認めないスタンスを明確にしている。

米中関係はトランプ政権下で、スパイ疑惑や貿易戦争、地政学的な紛争など、複数の課題で対立し、新型コロナウイルスの発生後は、トランプが「中国ウイルス」という言葉を繰り返し用いたり、安全保障上の理由からファーウェイやバイトダンスなどのテクノロジー企業を締め出したことで、さらに緊張が高まった。

バイデンは前任者に比べれば中国に対し協調的なスタンスをとるとみられるが、彼はここ数十年で最も緊張が高まった両国の関係を引き継ぐことになる。

編集=上田裕資

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