今回の調達を主導したのは、元GM副会長のスティーブ・ガースキーが率いる投資会社のVectoIQで、その他の出資元としてはトラックの製造パートナーのナビスターや、フォルクスワーゲンのトラトン・グループなども参加した。
特別買収目的会社(SPAC)として知られるVectoIQは、EVスタートアップのニコラの合併先として注目を集めたが、ガースキーはニコラの件に関してはコメントを拒否した。
TuSimpleのプレジデントのCheng Luは、9月のフォーブスの取材に最大3億ドルの資金調達を計画中と述べていた。同社が3億5000万ドルの調達に成功した場合、過去最大の額となり、累計調達額は約6億ドルに達することになる。同社の売上はまだ限定的だが、PitchBookのデータでは、前回の調達の際の評価額は11億2000万ドルに達していた。
カリフォルニア工科大学出身の神経科学者でコンピュータ・サイエンティストの侯暁迪(ホウ・シャオディ)が2015年に設立したTuSimpleは、ウェイモなどと並んで自動運転テクノロジーの勃興期に生まれた企業だ。
TuSimpleは既にUSPS(アメリカ合衆国郵便公社)とフェニックス〜ダラス間で貨物輸送のテストを実施済みで、UPSから月額費用を得てサービスを実施中だ。同社は2019年に実施したシリーズDで、UPSや中国のCDH Investments、韓国の自動車部品メーカーMando Corpから1億2000万ドルを調達していた。
関係筋によると、TuSimpleは上場を視野に入れているが、SPACとの合併ではなく、伝統的なIPOを望んでいるという。
TuSimpleは米国と中国に拠点を置いており、米国でのオペレーションはサンディエゴで行ない、エンジニアリングの拠点はアリゾナ州ツーソンに置いている。同社は先日、ダラスにトラックの拠点を開設した。