ビジネス

2020.11.29

スタートアップの「あるある」に陥らない、組織とミッションの作り方|ナイル 高橋飛翔

ナイル代表取締役社長 高橋飛翔(提供:DIMENSION NOTE)


──御社の今後の展望についてお聞かせください。

当社はミッションで「社会に根付く仕組みを作り、人々を幸せにする」という言葉を掲げています。これを実現していくために、会社としては今後複数の事業を展開し、その一つ一つの事業において社会に根付くような仕組み・プロダクトづくりを目指します。

直近で言うとデジタルマーケティング、メディアテクノロジーとモビリティサービスという三本建てで事業展開していますが、今後4、5年の間に2つは領域を増やし、5つくらいの事業領域で事業展開する会社にしたいと考えています。

直近3年スパンのお話をすると、特に注力していくのがモビリティサービスです。

モビリティ領域でこれまでに2年ほどビジネス展開をしてきましたが、事業の企画当初に比べてより深く、市場が抱える問題点、お客様が抱えるペインが見えるようになってきました。

その中でも一番大きいと考えている課題が、「マイカー購入を諦めざるを得ない方々」が多くいらっしゃるという問題です。

地方においては通勤や通学、日々の生活にマイカーが必須です。バスが走っていないエリアも多く、自転車で移動するには不便な場合も多くあります。この状況は今後何十年も変わらないでしょう。

それにも関わらず、年間200万人もの方が自動車を買う際のローンに通らないという現実があります。結果としてマイカーが持てず、ボロボロの中古車を買ったり、究極的にはマイカー購入を諦めてしまったりする方々がたくさんいるのです。

誰でも当たり前に良質な金融商品を使ってマイカーを持ち、移動の幸せを享受できる社会にしていかないと、日本の地方の交通網はどんどん脆弱になってしまうでしょう。

我々はこうした既存の金融商品ではマイカーを持てないような方でも、マイカーが持てるようにするプロダクトを作っていきたいと思っています。具体的にはお客様に対する与信の枠を広げて、車が当たり前に持てるようなビジネスに「おトクにマイカー 定額カルモくん」を発展させていきます。

計画を練りぬき、必ず成功を摑み取れ


──最後に読者である若手起業家、起業家予備軍の方々にメッセージをお願いします。

起業する上では「夢と志」、そして「諦めない気持ち」、自分を応援してくれる方々に報いようという「利他の気持ち」がすごく大事です。

起業される上で、必ず自分がなりたい姿、そして社会に何を提供していきたいのか。それをしっかりと見据えて、諦めない心で必ず最後までやり抜いて、皆様が大成功される事を心から願っています。

また、起業される際はどうか考えていただきたいのが、「まずやってみよう」ではなくて、しっかり計画を練って練って練り抜いて、「これなら必ず成功できる」という計画にしてからやるということ。これをどうか肝に銘じてください。

この記事をご覧なっている皆さんが、いつの日か成功を収め、私にこの記事読みましたという風に言ってくださることを心から願っております。どうか頑張ってください。


高橋飛翔◎1985年生まれ 東京大学法学部在学中にナイルを創業し、代表取締役社長に就任。「デジタルマーケティングで社会を良くする事業家集団」ナイルを牽引し、法人顧客向けデジタルマーケティング支援事業や自社メディア事業を立ち上げ。2018年より新規事業として、モビリティ領域における新たな事業モデルの構築に取り組む。

文=伊藤紀行 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc.

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