ビジネス

2020.11.29 16:00

スタートアップの「あるある」に陥らない、組織とミッションの作り方|ナイル 高橋飛翔

ナイル代表取締役社長 高橋飛翔(提供:DIMENSION NOTE)

ナイル代表取締役社長 高橋飛翔(提供:DIMENSION NOTE)

「デジタルマーケティングで社会を良くする事業家集団」を標榜するナイル。月間利用者数1000万人を超えるスマホアプリ紹介サービス「Appliv」や、車のサブスクリプションサービス「おトクにマイカー 定額カルモくん」など、多領域に渡り注目サービスを生み出し続けている。

そんな同社代表取締役社長 高橋飛翔氏に、起業家にとって重要な素養、成功する事業の創り方などについて聞いた(全3話中、第3話)。


組織づくりは4項目での「総合格闘技」


──採用、組織づくりで意識しているポイントをお聞かせください。

組織づくりには大きく「採用」「オンボード」「エグジット」「アフター」の4軸があります。言い換えると、「どれだけいい人に入ってもらうか」「どれだけパフォーマンスしてもらうか」「どういう人がどういう理由で辞めるか」「辞めた後にどれだけ応援者になってくれるか」。

組織づくりはこの4つの項目の「総合格闘技」です。

採用だけ強くてもオンボードが駄目だと組織はうまくいきません。私は組織づくりにおいては、この4つの項目それぞれを分けて考え、全て高めるよう意識しています。

──採用と組織づくりは表裏一体ということですが、未熟なスタートアップはどこから優先的に着手していくべきでしょうか?

弊社の場合、「優れた組織がないと優秀な人材の採用はできない」という考えのもと、タレントを組織の中で活かす仕組み作りにかなりコストをかけています。

具体的には、組織の中で権限を委譲する仕組みを作っております。

OKR(Objectives and Key Results)という目標管理制度を全社的に適応させ、事業目標に対して全てのチームにOKRを分け与えています。そしてそれぞれのKRを達成するためのHowの部分は、各チームに権限移譲し、任せるというコミュニケーションをしているのです。

なので各チームのマネージャーがどのような権限を持っているかは全社員にクリアになっていますし、経営陣は各チームのHowに対して口を出すのではなく、サポートに徹する風土が根付いています。

このように権限と責任をセットで移譲できる仕組みを組織内に作りあげることで、「この権限と責任が新しいポジションとして必要だ」「この目標達成を任せる人をこの権限で採用しよう」「これができるなら年収はいくらであるべき」という採用の話もスムーズにできるようになります。

この内容をまるっと求人票として置き換えることで、よりチャレンジングな仕事を求める優秀な人材が来やすくなります。魅力的な求人票が自然と書けるような仕組みを作ることが、組織面で意識していることです。
次ページ > 採用プロセスには一切妥協を許さない

文=伊藤紀行 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc.

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事