起業家たちの「頭の中」


──「デジタルマーケティングで社会を良くする事業化集団」をビジョンに掲げられています。デジタルマーケティングをうまく活用する秘訣についてお聞かせください。

はじめに、デジタルマーケティングの強みと弱みを理解することが大切です。

強みは効果測定がしやすいことと、改善活動がしやすいこと。広告に対してクリックやコンバージョンがどれぐらいで、結果としてCPA、ROIがいくらという効果測定が極めてロジカルにできます。そして、それに対して高速で改善活動をしていくことがデジタルマーケティングが得意とする世界です。

一方で弱みは、抜本的にマーケティング活動の在り方を変えることはできないこと。LPやサイトの改善をするのは得意だけれど、顧客インサイトへの理解などの根本部分、いわゆる「上流マーケティング」の部分をデジタルマーケティングで改善することはできません。

デジタルマーケティングは極論、人を採用したり外注費をかけさえすれば汎用化されるものです。なので「上流マーケティング」が差別化の肝となります。

──「上流マーケティング」で大切にするべきことについてもお聞かせください。

「顧客理解」。この一言に尽きます。そしてこれが真の意味で実践できている会社はほとんどないのです。

我々は、どんなに業務が忙しくても、消費者一人ひとりと向き合う時間を必ず確保するようにしています。

具体的には、マーケティングチームは毎月最低でも2人はお客様に機会をいただき、なぜ商品を買ってくれたのか、徹底的にヒアリングしています。そしてそのヒアリング内容は全て文字起こしし、全メンバーに共有されています。

「おトクにマイカー 定額カルモくん」を例に挙げると、契約者に会うために地方にでも飛び、なぜ車を買い替えようと思ったのか、なぜカルモを選んだのか、車に乗っている中で嫌なことは何か、ということをひたすら質問しているのです。

このプロセスを繰り返していくことで「もっとこういう質問をして欲しい」「なぜこのお客さんはこう考えたんだろう」という議論がチーム内で生まれ、お客様の頭の中がわかるようになっていきます。それが真の「顧客理解」です。

この「顧客理解」があって初めて「言葉」「色合い」「デザイン」といったマーケティング部分の改善をスタートさせるべきなのです。

文=伊藤紀行 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc.

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