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食品が売り切れているスーパー(Photo by Tayfun Coskun/Anadolu Agency via Getty Images)

英国は今も欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)協定案についてEU側と合意に至っておらず、貿易協定がないまま新年にEUを離脱することになれば、その影響は甚大となる。EUの規制は現在、航空機産業から輸入まで、英国人の生活のさまざまな面に影響を与えているからだ。

しかし、もし合意なき離脱が起きた場合、企業にとって直近の頭痛の種となるのは、商品の迅速な輸出入が困難になることかもしれない。英国への輸入品は大半が食品だ。英国は食品の40%を輸入しており、うち欧州からの割合はここ20年で25%から30%に増加。英スカイニュースが入手した政府文書では、離脱後の最初の2週間は特に大きな問題が生じる可能性を指摘している。

英スーパー大手テスコのジョン・アラン会長は10月中旬、ブレグジット移行期間が1月に終了した後、生鮮食品の不足が最大「数カ月」にわたり続く恐れがあると警告。「英国への通関で混乱が生じれば、少なくとも一時的に生鮮食品の一部が不足する可能性は除外できない」と述べた。

英環境・食糧・農村地域省(DEFRA)は、ブレグジット後もさまざまな商品が入手可能になると説明してきたが、商品の中にはリスクの高いものがある。

また、食品の値段も変わるだろう。商品がEU諸国から入手できなくなれば、より遠い地域から輸入することになり、コスト増につながるかもしれない。市民がEUからの輸入品を買い占めれば、需要の増加により価格が高騰する可能性もある。

生の果物や野菜が影響を受けることになる。英国葉物サラダ協会(British Leafy Salad Association)によると、英国で冬に食されているレタスの大半がスペインの一地域で生産されている。デンマークの乳製品企業アーラ(Arla)が委託し、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスが2019年に発表した調査報告書によれば、英国のヨーグルトはほぼ全てEUから輸入されている。

アイルランドで生産される年間100億リットル近くの牛乳の大部分は、英国で消費されている。また、英国で消費されているパスタ(乾燥、具詰め、生を含む)の5分の4近くは、デュラム小麦が栽培されているイタリアからの輸入品だ。さらに、英国が2018年第1〜3四半期に輸入した牛肉の94%は欧州からのもので、うち4分の3はアイルランド産だった。

編集=遠藤宗生

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