その「ながら食べ」危険かも 米国発「マインドフルイーティング」でストレス軽減?

目の前の食事に意識を向けるマインドフルイーティング(Photo by Unsplash)

パソコンを操作しながら片手でランチ、SNSを見ながら口元に箸を運ぶ……。あなたは食事をしているといえるだろうか?

「ながら食べ」はあなたから味わう楽しみを奪うばかりか、肥満やストレスの原因にもなるのだ。

そんな危うい食生活に警鐘を鳴らし、意識のレベルから健康的な食生活に改善することを提案しているのが、「マインドフルイーティング」という方法だ。

「マインドフル」と聞くと、瞑想やメンタルに関わるものを連想する人も多いかもしれないが、「マインドフルイーティング」は医学的な見地に基づいて開発された食事法だ。

なかなか減らない体重、気がつくと食べ過ぎている毎回の食事。まずは食べ物に対する意識から見直してみてはいかがだろうか。マインドフル健康指導士の大坪泰子の話からまとめてみた。

マインドフルイーティングとは


「マインドフルネス」という言葉は、1970年代にマサチューセッツ大学医学部のジョン・カバットジン博士によって広められたもの。マインドフルネスとは「いま、この瞬間に集中している心の状態」のことで、瞑想などを通じて脳を休息させることで得られる。もともとはヨガの呼吸法や日本の座禅をルーツにもち、それらから宗教性を排除した、より医学的な健康法として発達したものだ。

マインドフルネスであることで、免疫力や集中力のアップ、生活習慣病の予防、不安やストレスを軽減し、うつ病のリスクを軽減するなどの効果が証明されている。

情報が至る所から入り続ける現代では、脳の疲労が増大し、うつ病などのメンタルヘルスイシューを抱える人が増加傾向にある。こうした状況を受けてアメリカでは、グーグルやインテルなど上場企業の3割以上が、社員研修の一環としてマインドフルネスプログラムを取り入れているという。

マインドフルイートとは、そうしたマインドフルネスの手法を食事に応用したプログラムのことで、アメリカでは40年ほど前から過食症の治療として採用されている。
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文=河村優

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