その「ながら食べ」危険かも 米国発「マインドフルイーティング」でストレス軽減?

目の前の食事に意識を向けるマインドフルイーティング(Photo by Unsplash)


マインドフルイーティングプログラムの参加者は、食事をして何を感じたかを他の参加者とシェアしたり、瞑想を行ったりする。そうすることでそれまでいかに目の前の食事に集中しておらず、また自分が食事をして感じたことに意識を向けていなかったに気がつくという。

参加者はこうすることで、徐々に自分が本当に求めるだけの食べ物を口にすることを学んでいき、普段の食生活から見直すことでダイエット効果も得られる。

また、マインドフルの状態となり、精神が鍛えられることでストレスが軽減し、幸福感や免疫力の向上にもつながる。さらには前頭葉皮質が活性化するため、アルツハイマーなどへの予防効果があることも実証されている。

実践したい5つのステップ


11月初旬、モスバーガーを展開するモスフードサービスでは、冬の新商品「とびきり赤ワイン&ビネガー」と「とびきりスパイス&デミ」の発売に先駆けて、マインドフルイーティングを取り入れた試食会が行われた。こだわり抜いたソースの深い味わいを、より堪能してほしい狙いから、マインドフルイーティングを取り入れたという。

では、実際にマインドフルイーティングとはどのように行うのか。大坪の指導のもと行われた5つのステップを紹介しよう。

1. 観察する


目の前の食べ物を手に取ってじっくり眺める。食材が運ばれてきたプロセスや生産過程にまで想像を巡らせてみよう。その食材は本当に自分にとって適しているのか、考えるきっかけにとなるかもしれない。

2. 香りをかぐ


深く香りを吸い込み、食べ物に対して体が反応することを感じよう。唾液が出たり、食べ物にに対する思考が活性化するのを感じるかもしれない。

3. 噛まずに味わう


まずはひと口分だけ口に含み、噛まずに舌の上で食材の質感や味を感じよう。

4. ゆっくり噛む


飲み込まないように気をつけて、できるだけ時間をかけて噛んでみよう。味の変化を感じ、食材の栄養が体に染み込む感覚がある。

5. 飲み込む


ゆっくりと飲み込む。すると、口の中に食べ物がないことにいつも以上に意識が向くに違いない。

全体を通して重要なのは、食べる前と食べている途中に自分の空腹具合を確認すること。1〜10の数字で表すと、あとどれくらい自分が食べられるのか、数値化して本当に必要な食べ物の量を把握しよう。

この5つのステップを毎回の食事で繰り返すことで、徐々に1回1回の食事に意識を向けることができるようになるという。目の前の食事に意識が向くようになると、「何を食べるか」より「どう食べるか」に集中するようになり、より食事を楽しめるようにもなるという。

簡単にできるように思えるが、実際にやってみるとこの5つのステップ、意外に難しい。食べ物を口に入れたらすぐに咀嚼したくなるのをぐっと堪え、できるだけ時間をかけて食べ物と向き合う経験はあまりない。

さらに、このステップを実践するにはかなりの時間を要するため、毎回毎回の食事で実践するのは難しい。まずは食事の最初の10分だけ5つのステップを取り入れることもおすすめだという。
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文=河村優

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