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日本では離婚の際、父、母いずれか1人が親権を持つ「単独親権制度」がある。

しかし、海外では離婚後も父、母「両方」に親権が託される「共同親権制度」を採用している国が多いことを知っているだろうか。

日本ならではのこのシステム、「単独親権制度」をめぐり、この10月21日に裁判が起きた。離婚によって親権を失った30~50代の男女6人が、東京地裁に提訴したのだ。

ここでは離婚の際の切実な問題である「親権」について、フェリーチェ法律事務所所長、後藤千絵氏にご寄稿いただいた。

後藤氏は離婚・DV・慰謝料・財産分与・親権・養育費・面会交流・相続問題など、家族の事案をもっとも得意とする弁護士だ。


私の事務所では女性を中心に年間300件、のべ3000人の相談に乗っていますが、離婚問題で最もこじれることの一つが「親権」です。 『クレイマー、クレイマー』『ジュリアン』など、離婚、親権を扱った名画が作られ続けているのも、時代を問わないそんな状況を映しているのではないでしょうか。

中には、離婚協議をスムーズに進めるために、親権と監護権を分属させるケースがあります。ここでは、そのメリットやデメリットについてまとめてみました。

身上監護権、財産管理権......「親権」にもいろいろ


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・親権とは

親権は、未成年者を監護、教育して財産を管理するために、父母に与えられた身分上および財産上の権利及び義務です。

親権には以下の3つの内容があります。

1.身上監護権:子どもの身の周りの世話をし、躾や教育を行う。

2.財産管理権:子ども名義の預貯金等の財産管理を行う。

3.法定代理権:子どもが何らかの契約の当事者となる際に、子どもの代理として契約を締結する。

日本においては、離婚する際にどちらかの親を親権者として離婚届に記載することとなっています。離婚では、必ず父母どちらかに親権者を決定しなければいけない仕組みとなっているのです。

「単独親権は違法」と提訴


日本は離婚した際に、父母どちらか一方が親権を持つ「単独親権制度」を採用しています。

しかし実は海外においては、離婚後も父母の両方が親権を持つ「共同親権制度」を採用している国がとても多いのです。

この単独親権制度を巡り2020年10月21日に、東京都、群馬、神奈川、山梨の30~50代の男女6人が東京地裁に、国に1人当たり150万円の損害賠償を求め提訴しました。

単独親権制度は憲法が定める法の下の平等や、幸福追求権に反するとし、「虐待などの特殊なケースを除き、離婚後も両親が共同で子どもの成長を見守るべきだ」と主張しているのです。

原告の6人は、離婚後相手方の強制的な連れ去りやDV(ドメスティックバイオレンス)などが原因で子どもと離れ離れになり親権を失ったとのことであり、とても切実な訴えであると思います。

※参考元:2020年10月21日共同通信

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文=後藤千絵 編集=石井節子

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