I write about interesting Chinese companies

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中国のコスメブランド「Perfect Diary(完美日記)」を運営するYatsen Holding(逸仙控股)は11月19日、米国ニューヨーク市場でIPOを果たした。上場により6億1700万ドルを調達し、時価総額は78億ドル(約8095億円)に到達した。

広州に本拠を置くYatsen Holdingは2016年設立の企業で、Perfect Diary のほかに「Little Ondine(小奥汀)」や「Abby’s Choice(完子心選)」などのブランドを若い消費者向けに展開中だ。

フォーブスは同社の創業者兼CEOで発行株式の25%を保有する37歳の黄金峰(Huang Jinfeng)の保有資産を30億ドルと試算している。黄は、今回のIPOでビリオネアの仲間入りを果たした。

わずか4年前に設立のYatsenは、競争力のある価格設定とSNS戦略により、中国の美容市場で際立った存在となった。同社は4.5ドル程度のアイシャドーやアイライナーなどの製品を主力アイテムとしており、TikTokの中国版「抖音(Douyin)」などでは、有名人やインフルエンサーを起用しマーケティングを行っている。

このようなデジタルマーケティングは新しいものではないが、「Yatsenはロレアルのような西側の大手も意識すべきブランドになった」と、上海に拠点を置く調査会社Daxue ConsultingのアナリストSofya Bakhtaは述べている。

「Yatsenはごく短期間でブランドの認知度を上げ、ロイヤルな顧客ベースを構築した。同社の製品は手頃な価格を打ち出すと同時に、現地の顧客のプライドを満たし、愛国心を喚起している」

上場目論見書によると、2019年のYatsenの収益は2018年のほぼ5倍の4億4600万ドルに急増した。しかし、同社の200のリアル店舗もパンデミックの打撃と無縁ではなく、今年9月末までの9ヶ月間の業績は、1億7000万ドルの赤字となり、前年同期の4400万ドルの黒字から大きく落ち込んだ。

2020年の売上見通しは4億8200万ドルと、予想よりも伸び悩む見通しだ。

しかし、創業者の黄の経歴からは、彼がこの業界で十分な経験を蓄えていることが伺える。2007年に広東省の中山大学を卒業した彼は、広州のP&Gで4年間、市場調査マネージャーとして働いた。その後、スキンケアブランド「御泥坊(UNIFON)」を運営するHunan Yujiahuiで2016年までバイスプレジデントを務めていた。

同社の社名の「逸仙」は、中山大学の正式名称である「孫逸仙大学」にちなんだものだ。現地メディアの報道によると、他の2人の共同創業者の陳玉文と劉建華も、CEOの黄の大学時代の友人だという。フォーブスは、陳と劉の保有資産をそれぞれ9億2900万ドルと、4億2500万ドルと推定している。

編集=上田裕資

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