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2020.11.24

テスラ追撃のGM、「2.8兆円」をEV用電池と自動運転に投入宣言

GM メアリー・バーラCEO(2019年5月撮影、Getty Images)

米GM(ゼネラル・モーターズ)は、EV(電気自動車)市場でのシェア拡大を目指して、数十台の新モデルを投入し、イーロン・マスクのテスラを追い抜く計画だ。同社は今後の5年間で、新たなバッテリーと自動運転テクノロジーの開発に、270億ドル(約2兆8000億円)を注ぐと発表した。

GMは11月19日の「バークレイズ・グローバル・オートモーティブ・カンファレンス」の会場で、2025年までに電気自動車30モデルを、グローバルマーケットで展開すると発表した。同社のメアリー・バーラCEOは、当日のプレゼンでテスラの名前こそあげなかったものの、今後の数年間でGMが北米のEV市場のリーダーを目指すと宣言した。

「我々はEVが今後の事業の中核に成長し、株主のみなさんに価値を提供するとすると考えており、この分野で北米ナンバーワンの地位を目指していく」と、バーラは話した。

米国最大の自動車メーカーであるGMは、2025年までに世界で30のバッテリー駆動モデルを発売する計画で、そのうち3分の2はキャデラック、GMC、シボレー、ビュイックの各ブランドから北米の顧客に向けて発売される。GMの低コストのUltium(アルティウム)バッテリーを搭載した最初の新モデルは、2021年後半に発売予定のGMC Hummer EVで、2022年初頭にはCadillac LYRIQクロスオーバーが予定されている。

同社はまた、バッテリー生産を強化すると同時に、世界各地のR&D拠点やテスト施設を、新時代のモビリティのために有効活用しようとしている。

GMはバッテリー駆動車のパイオニアであり、今から24年前に初期のテスト車両としてEV1 subcompacを発売したが、その技術を放棄したことで、2000年代初頭にテスラとイーロン・マスクに好機をもたらしていた。

過去10年間、同社はボルト・プラグイン・ハイブリッドやボルトEVなどの車種でEV市場での存在感を高めてきたが、収益面では化石燃料で駆動するトラックやSUVに依存し続けてきた。
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編集=上田裕資

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