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社会的マイノリティの眼差し

バイデン氏との出会いを振り返り、リーダー像を記したい (Getty Images)

未だトランプ陣営は否定しているが、バイデン大統領が誕生するのは確実だろう。

アメリカで、リベラルな人たちに囲まれて暮らしていた私たち家族は、トランプ支持者たちから見たら「バイアスに満ちた」リベラル人間だろう。ここではコラムとして主観を記すが、アメリカにいる私たちの家族や多くの友達にとっては、まさにいま、暗闇の4年間に一筋の光が差した感じがしている。

今回はバイデン氏について書いてみたいと思う。私は1度だけ実際に彼と会い言葉を交わしている。

バイデン氏が「犯罪被害者支援」に注力する理由 


アメリカ政府が女性に対する暴力防止と加害者への厳罰処置についての議論を本格化させたのが2000年前後。フォトジャーナリストである私は、アメリカとカナダで約70人の性暴力被害者の取材、撮影したプロジェクト「STAND:性暴力サバイバーたち」を2001年に発表した。このプロジェクトはテレビドキュメンタリーとなって2002年に全米で放映された。

その直後、アメリカ人でもない私が、ワシントンの上院議員特別議会に呼び出され、女性に対する暴力の被害者支援、防止対策そして予算検討会で発言を求められた。

議会の後に行われた関係者パーティーの主催がバイデン氏だったことで、私は彼に会う機会を得たのだった。

バイデン氏はもともと犯罪被害者の権利を守るために活動してきた政治家だ。女性に対する暴力法「Violence Against Women Act(VAWA)」は、彼が1990年に導入、1994年に正式に可決され、アメリカでの家庭内暴力(DV)の発生率を50%以上も減らしたという功績を持つ。

パーティーの席で彼は、当時中西部のローカル紙で働く名もなきフォトジャーナリストに向かって「ワシントンでも君のサバイバーの写真展をしようね」と握手してくれた。

その3カ月後、上院議員オフィスの入り口で、性暴力サバイバーが実名で顔を出した写真展「STAND:性暴力サバイバー達」を行った。バイデン氏からの依頼で、DV被害者支援に力を入れていたミネソタ州の議員ウェルストーン氏が叶えてくれたのだ。写真展のオープニングでは、バイデン氏は控えめに後ろの方で参加してくれていた。

文=大藪順子

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