「儀式」が結婚の意思に影響 研究結果が示唆

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記念日や誕生日を祝うこと、祝日、定期的に一緒に夕食を取ること、金曜日の夜に映画を見ることなど、パートナーと「儀式」のように必ず守る習慣をつくれば、家族関係を維持する上で非常に役立つことが、過去の研究から示されてきた。祝日や誕生日、記念日を祝う家族は、こうした儀式的習慣を持たない家族よりも関係が強固で長続きするのだ。

儀式の大半は何度も繰り返されるものだが、通過儀礼のように一生に一度しかないものもある。儀式には繰り返しの要素があるが、それには機械的な交流を超えた象徴的な意味合いがある。

儀式的習慣と交際中のカップル


社会・個人関係ジャーナル(Journal of Social and Personal Relationships)に最近掲載された論文によると、関係性を安定させる接着剤としての儀式的習慣の役割は、交際の初期段階から始まる。交際中のカップルは一緒に儀式的習慣をつくることで、互いに関する理解が深まる。こうした経験は2人の関係性の今後(関係が長続きするかどうか)を測るツールとなる。

論文の主執筆者クリス・マニオテスは「儀式的習慣は、パートナーやパートナーとの関係性を見直すユニークな時間となり、通常であれば分からないさまざまな行動ややり取りを目にすることができる」と説明。「儀式的な習慣は、相手に対する見方を変え、新たな視点を提供することで、こうしたカップルの間における結婚の意思に影響を与えていた」と述べた。

マニオテスが率いるイリノイ大学人間発達・家族研究学部の研究チームは、米南西部のカップル24組(計48人)を対象とした詳細な聞き取り調査の内容を分析した。回答者の平均年齢は23歳、平均交際期間は2.5年だった。対象となったカップルは、異性カップルにおける結婚の意思を分析するため9カ月間にわたり実施されたより大規模な調査の対象者から無作為に選ばれた。

研究チームが儀式的習慣の影響を分析したところ、そのやり取りの性質によって結婚の意思が強まったり弱まったりすることが分かった。儀式的な習慣により絆が深まり、結婚の意思が強化されることもあれば、相手との違いが明確になり、結婚を考えづらくなることもある。

例えば、儀式的な要素を含むホリデーシーズンの休暇では、親戚との交流の様子から、相手が摩擦にどう対処するかを観察できる。マニオテスは「儀式的習慣は、立ち止まったり、歩みを緩めたりして、自分たちの関係をよりしっかり考えさせてくれる役割があるようだ」と説明した。

あなたもできる応用法


新型コロナウイルスの流行で非常事態が続く今、人との絆を確立し深める上で儀式的な習慣の重要性は増している。あなたが今、誰かと交際を始めたばかりであったり、働き過ぎによりギクシャクし始めた長年のパートナーとの関係修復を試みていたり、元恋人と再び交際を始めようとしていたりするなら、今回の研究結果を応用し、交際の先行きを見極めることができる。以下に、新たに始めたり再開したりできる習慣の例を挙げる。

・電子機器を持たず夕食を共にする時間を定期的に設ける
・共通の趣味や楽しみを定期的に一緒にするスケジュールを決める
・毎週特定の日時に、教会やシナゴーグ、瞑想(めいそう)グループなどネット上で開催されるスピリチュアルなイベントに参加する
・毎年訪れ、パートナーとの思い出を積み重ねられる特別な旅先を見つける
・全員が楽しみにし、心のよりどころとなる伝統になるようなホリデーシーズンの祝い方をする

編集=遠藤宗生

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