コロナで盛況の電子商取引、裏に潜む大きな弱みとは?

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物流業界の次のフェーズは、回復ではなく刷新


電子商取引サービス提供企業コーシッパー(Coshipper)の王暁宇CEOは、「電子商取引の貨物輸送を正常化するだけでは十分ではない。かつての『正常』は、断片化され非効率的だったからだ」と指摘。「私たちはこの時間を使って物流を見直し、構造的な危機に対する脆弱(ぜいじゃく)性を減らすような形で、簡潔・透明で責任を持ったサービスを提供する未来に向けた革新に取り組まなければならない」と述べた。

王は、従来の物流が抱えていた最大の問題は透明性と説明責任の欠如だと語る。「物流で何か問題が起きると、顧客には頼れるものがないことが多い。運送会社は責任逃れをすることが多く、問題の責任を持つのが誰かを知るのは不可能だ」

さらに王いわく、従来の運送プロセスには複数の経路の間でデータの複製が必要だ。王は、倉庫と運送会社、消費者、その他の関係者の間でのコミュニケーションは、既存のデジタルシステムを活用することで簡単に合理化できるとし、「やり方を変えれば、全員の時間と資金を節約できる。今こそ、その時だ」と語った。

消費者が求めるのは迅速な物流


米企業コンベイ(Convey)が2500人の米消費者を対象として行ったアンケート調査では、オンラインショッピングの配送で最も重要なもは料金だと答えた人が64.3%に上った一方で、スピードが最も重要だと答えた人も18.7%いた。

アマゾン・プライムが電子商取引業界でも屈指のスピードと効率性を誇る配送を行っていることで、消費者の期待値は変化している。回答者の72.7%は、配送に関して嫌な経験をした会社はもう二度と使わない可能性が高いと答えている。

コンベイのキアステン・ニューボールドクニップ最高成長責任者(CGO)は「このデータからは、自社はアマゾンと競合していないと考えたいブランドでも購入者の視点では競合となることがはっきりと示された」と述べた。

私たちはコンピューターの裏にある業務について何も考えることなくネットショッピングに興じてしまいがちだ。だが、電子商取引の成功は、機能的な物流業界や効率的で透明な運送システム、商品の配送を担う現場の労働者にかかっている。

私たちは今、転換点にいる。電子商取引の未来は明るい。今重要なのは、関係者全員にとってうまく機能する仕組みを使用・構築することだ。

編集=遠藤宗生

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