MIYAVIらから若者へ「未来のために正しくしなやかに狂おう」

ミュージシャンのMIYAVIと社会起業家の牧浦土雅


MIYAVI:難民問題についても、見てしまったら目を反らせないじゃないですか。「知っているけど何もできない」と「ただ知らない」は大きな違いがある。まず知ること。イベントの最後に高校生から質問があったように「僕たちに何かできますか」と聞かれることがあるのですが、僕はいますぐ何もできることがなくても全然いいと思うんです。

特に学生のみんなは、いま学びたいだけ学べるという特権を持っている訳だから、大いに学んで欲しい。その学びの中で得て感じたことを大事に、卒業してどんどん形にしていってほしいと思います。

「僕は一人ではない」「私は一人ではない」と思える場所


宮城:「Hack the World」のコンセプトは普遍的。「狂っていい」という宣言をして、皆で向き合っていくと言えたのがいいスタートだと思います。大企業版『Hack The World』も先日開催しました。ロート製薬の山田会長と若手Vision Hackerが参加したイベントでは、Z世代のロート製薬の社員が「自分のやりたいこと」を語る企画を開催し、同社の経営陣にとても好評でした。

新型コロナウイルス感染に伴い、大企業も「これまでと違う未来を描かなければ」「自分で能動的に踏み出さなければ未来が見えない」という時代になったと企業の経営陣も感じており、企業も変わるかもしれない。こうした時期だからこそ、まっすぐに自分の思いに向き合って、挑んでいる若者の姿に力を感じた。今後も、様々な形で機会を作っていきたいと思います。パリ五輪やロス五輪にも繋がっていくようにしたいと思います。

小国:「Hack the World」は絶対に続けていくべきだと思います。個人としては2025年の大阪万博までは、テーマを変えて年に複数回作っていきたいと思っています。開会式当日、最後のセッションでVision Hackerの永井くんと寺本くんのそれぞれの思いが「点」と「点」で繋がった。全く異なる分野で活動する2人が「命」というテーマを大事にし、「命というのはユニバーサルにもかかわらず、生まれてきた場所や人種、国により変わってしまうことへの疑問や怒り」という共通の思いを持っていました。

二人はその後、すごく仲良くなったのですが、何かが起きるかもしれないし、何も起きないかもしれません。どちらでもいいと思っています。ただ、「僕は一人ではない」「私は一人ではない」と思える場所があればいいなと。高校球児の甲子園ではないですが、「舞台に立ててよかったね」「あんなにすごい人がいるのか」「俺もこれでいいんだ」と思える場所がある方が絶対にいいと思うので続けていきたいと個人的に思っています。

僕らは「希望の祭典」と言いたいとはじめて、実際に彼らと話していくと希望しか感じませんでした。若者の希望が溢れる場にあれば、同世代はもちろんですが、企業経営者をはじめ、異なる世代のための「場」にもなる。これからも希望を可視化したり、繋げていくことをしたいと思います。

MIYAVI:またやりましょうよ。いま、僕たちが本当に見るべきものを。登壇してくれた人たちの今後も、フォローアップしたいし、もっと多くの人に届くようにしていかなければいけない。「狂うことがかっこいい」と思える「場」を作ることで、そこに新しい道ができて、それが未来に繋がる。そう強く信じています。ぜひ、またやりましょう!

文=山本智之

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