──国木田独歩さんの価値観を、国木田さんも受け継ぎたいと思いますか。
はい。曾祖母や国木田独歩を含め、私の家系が教えてくれたのは「誰にも理解されなくても大丈夫」ということです。周りからすぐに理解されなくても、自分自身が納得できることや使命感を感じることには、何かしら意味があると考えています。
いま住んでいる国の人々が、自分の考えを全く理解してくれないとしても、それはその国と私の相性が合わないだけ。もしかしたら一生誰にも理解してもらえないかもしれません。でも、それでいいのです。
準備している雑誌のタイトルにも結びつきますが、やはり「波」ですね。音楽やファッションのトレンドが変わるように、人々の考え方も変わり、世の中全体が変わります。国木田独歩のように、はじめは理解されなくても、いつかわかってもらえる日が来るかもしれません。
──モデル、ギャラリスト、雑誌のCEO、今後もキャリアを広げる予定ですか。
やりたいことは本当にたくさんあるのですが、全部やるのは無理ですからね(笑)。いまは抱えているビジネスを大きくして、自分なりの成功を手にしたいと考えています。しかし数年後、出会う人や経験によっては、自分自身が変わっているかもしれません。もしかしたらこれらのビジネスを誰かに売却しているかもしれません。それはその時に、決めたらいいと考えています。
私の好きな言葉は、トーマス・エジソンの “I failed my way to success” です。いまはたくさん失敗しながら、持っている仕事を大事に育てたいと思っています。アートも雑誌も、人を幸せにするビジネスが好き。これから長いキャリアを考えているので、自分自身も楽しく、ですね。