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モデル、国木田彩良。彼女はどんなキャリアを切り開こうとしているのか

海外で育った幼少期、どこに行っても受ける「よそ者扱い」に苦しみながら、逆境を乗り越えてきた国木田彩良。ようやく「居場所」と思える地である日本と出会い、モデルという「手段」で2015年に来日を果たし、5年がたった。

前編:「失敗を恥じることはもうおしまい」パリ育ちモデル・国木田彩良の逆境の越え方

そんな国木田は数年前から、自身のキャリアに疑問を抱いてきた。

「モデルは本当にいい仕事だと思います。素敵な人に出会ったり、貴重なことを経験したりと充実している一方で、長い目で見て力強いキャリアを築くには難しい職種でもあると考えています」

18歳から2年間通ったファッションスクールでは、ビジネス側、経営に興味があることに気がついた。いまでは、日本とドイツを拠点にアートとメディアという2つの領域で、ある挑戦を始めている。モデルという仕事を超え、異業種に飛び込んだ、彼女のモチベーションと行動力を探りたい。


──ドイツで少しずつアートビジネスを始めていると伺っています。どのようなことをしているのか教えてください。

日本のアート作品をヨーロッパに、ヨーロッパのアート作品を日本に持ってくるような仕事です。例えばドイツのギャラリーで現代アートを買って、日本の顧客に売る、アートの仲介人のような感じですね。昨年の冬にドイツで始めて、ヨーロッパや日本のギャラリーと契約し、少しずつビジネス領域を広げています。

実は、「本当に良いアート」はヨーロッパでも見つけづらいのです。アートギャラリーは基本的にコレクターなどの常連に売ることが多いので、誰にも平等な購入機会があるわけではありません。お金があっても「いいアート」を買えないのが現実です。その状況を少しでも変えるために、ビジネスを始めました。

──なぜ日本とドイツを拠点に、アートビジネスをしたいと考えたのでしょうか。

海外のアートを探す場合、どんなものがあるかわからない、探し方すらわからないのが課題だと考えています。

例えば日本人がアートを購入したいと思ったとして、ヨーロッパは距離的にも遠い。それにアートは高価な買い物なので、海外のギャラリーで買うことには抵抗感もあります。1億円のアートを買うなら、当然本物だという確信がないと買えないけれど、ただでさえオープンでない業界で、言語や地理的な条件がさらなる障壁になってしまっている。

そんな現状において、日本とヨーロッパをつなぐ「架け橋」のような役割を果たしたいと考えています。私は日本を拠点にしていますが、ヨーロッパにはよく訪れるので、お互いのマーケットを肌で知ることができます。このビジネスはかなりチャレンジングで恐怖心もありますが、同時に大きなポテンシャルも感じてとてもワクワクしています。

文=Ryoseon Bae(Forbes JAPANオフィシャルコラムニスト) 写真=小田駿一 リタッチ=上住真司

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