ブラックフライデーの喧騒の後に 米国で盛り上がる「寄付の日」とは

2020年のギビング・チューズデーには、アメリカ人の62%が参加すると言われている(Shutterstock)


また、別の調査からはギビング・チューズデーに対する世代間での意識の違いが見えてくる。

オンライン資金調達プラットフォームのQgivが、2020年1月に1300人強を対象に行なった調査によれば、2019年のギビング・チューズデーの平均寄付額は5ドルから55ドルであり、ベビーブーマー (55才以上)の半数近くとZ世代(25才以下)の42%が、この額の寄付を行なっていた。これに対して、平均寄付額が高かったのはX世代(35~54才)であり、彼らのうちの32%が100ドルから499ドルで寄付を行っていた。

主にギビング・チューズデーに積極的に参加する傾向にあるのはミレニアル世代であり、彼らの間であまり馴染みがないと答えた人々は27%にとどまった。彼らは慈善活動を自分たちの世代のアイデンティティとして考えており、社会変革に対する高いモチベーションを持っているともいわれている。

調査の結果で意外であった点は、ミレニアル世代と同じく慈善活動に意欲的だと言われるZ世代の42%が、ギビング・チューズデーの存在に馴染みがないということであった。年配の世代が享受しているような支出力がないZ世代には、寄付活動は少し縁遠く感じられるのかもしれない。

とはいえ、ギビング・チューズデーに参加する方法は寄付だけに限られない。 「GivingTuesday」の公式サイトで提示されている参加方法の中には、社会問題に対して声を上げることなども含まれている。非金銭的な手段でも参加する機会があることが伝わっていけば、Z世代にも広く浸透していくことは十分にあり得るだろう。

アマゾンなど有名企業も参加している


ギビング・チューズデーには、フェイスブック、PayPal、T-Mobileなどの大企業も多く参加しているが、その中でもアマゾンの取り組みは興味深い。実はAlexaの機能を使って、簡単にギビング・チューズデーに参加することができるのだ(Amazon.jpは未対応)。



Alexaに向かって「Alexa, Donate to Toys for Tots」と声をかけると、お金を寄付するか、おもちゃを寄付するかを選択することができるようになっている。
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文=渡邊雄介

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