新たな研究により、新型コロナウイルスに感染した妊婦は早産になりやすいことがわかった。パンデミックの中で行われたこの研究は、妊娠中の女性に特有のリスクを明らかにし、彼女たちがとるべき予防策を提示している。
米疾病予防管理センター(CDC)が発表した、パンデミック期間中の新型コロナウイルス感染者による出産3912件についてのリポートによると、予定日よりも早い37週以前に生まれた新生児の割合は12.9%に上った。全国平均は10.2%だ。
早産の新生児は、視覚や聴覚の問題、学習遅滞、その他の健康問題を抱えるリスクがあり、こうした新生児と母親は、いずれも通常より長く入院することになりやすい。
この9カ月というもの、何かを計画すること自体が難しくなっているが、早産はさらなる困難をもたらしうる。ほとんどの妊婦はすでに、パートナーの病院への立ち入りが許されないという、出産プランの変化に対応を迫られている。新型コロナウイルスの陽性診断が下れば、さらに孤立は深まる。
今回の研究では、検査を受けた新生児のうち、2.6%が新型コロナウイルスに陽性を示した。一般に、出産から1週間以内に親が陽性反応を示した場合、新生児に陽性の検査結果が出やすい傾向にある。陽性反応を示した親のうち症状があったのは60%強だが、研究チームによれば、症状の有無は早産の発生率に影響しないという。
今回の研究により、新生児や妊婦がとりわけパンデミックによる影響を受けやすいことを示すさらなる証拠が得られたと、CDCは述べている。研究に参加した妊婦のほとんどは第3期に入っていたため、研究チームは、新型コロナウイルス感染症が妊娠初期の妊婦に与える影響についてさらなる研究が必要だとしている。
今回の研究以外にも、パンデミック中の妊娠経験の実態や、パンデミックが親と新生児に与える影響に関して、多くの研究が行われている。出産は、身体に多大な負担をかける。CDCの別の研究では、新型コロナウイルスに感染した妊婦は、死亡や重篤化のリスクこそ低いものの、心臓や肺の機能に補助が必要となり、集中治療室に入る確率が、妊婦ではない患者に比べて高かった。また、死亡率もわずかながら高い傾向がみられた。
現在の妊婦にとって、自分と生まれたばかりの新生児を守るための最善の方法を知ることはきわめて困難である可能性がある。CDCは、新型コロナウイルス感染症と、それが原因で生じうる合併症のリスクを妊婦に伝えるべきだとしている。また、マスク着用やソーシャルディスタンシング(社会的距離の確保)といった個人で実行できる予防策を、妊婦と同居家族に徹底させることが重要だと述べている。
今後の妊娠は、長期にわたるパンデミックの影響を完全に受けるようになるだろう。研究によれば、妊娠と新型コロナウイルス感染症の重篤化リスクには明確な関連があるうえに、感染した場合は早産の可能性も高まる。CDCは、医療関係者がこれから子をもつ人々に対し、パンデミックへの予防策を意識させることが何よりも重要だと述べている。