バイデンはグローバル経済にどう対応するか

Joe Raedle/Getty Images


また、バイデンが中国に対してどの程度強硬に出るかは明らかになっていないものの、バイデンの「メイド・イン・アメリカ」政策では、中国にせよほかの国にせよ、「米国の製造業の弱体化をもくろむ」国があれば、不公正な慣行から米国を守るために「積極的な貿易執行(aggressive trade enforcement actions)」を行うと約束されている。

2021年1月にジョージア州で実施される2議席の決選投票の結果次第だが、今後も共和党が過半数を維持すると見られる上院も、貿易問題に関するバイデンの迅速な動きを鈍らせる可能性がある。CFRのシニアフェロー、エドワード・オルデン(Edward Alden)は、米外交誌フォーリン・ポリシーに掲載された11月6日付け記事のなかで、米国の関税を緩和しようとする動きは、いかなるものであれ、議会の大きな反対に直面するだろう」と指摘している。

では、プラス面は? 予測可能性だ。バイデンによる貿易政策の変更が、投資家に不意打ちを食らわせる可能性は低い。また、考えを変えたり、その場の思いつきで声明を出したり、脅しをかけたりする可能性も、前任者よりもはるかに低い。「大統領のツイートを通じて知ったことを顧問たちが大慌てで実行に移そうとする日々は、過去のものになるだろう」。アジアソサエティ政策研究所のウェンディ・カトラー副所長は、ロイターに対してそう語っている。

中国も、バイデンの大統領就任を好意的に見ているようだ。中国人民元は11月6日、2018年7月以来の高値をつけた。米国と、より安定した貿易関係を築けるとの期待からだ。

一般投票における大統領選の勝敗が明らかになった11月7日直後、企業向けクラウドストレージ「Box」のアーロン・レヴィ最高経営責任者(CEO)は次のようにツイートした。「(バイデンの勝利は)米国の競争力にとって素晴らしい(中略)企業に必要なのは、市場の安定、気まぐれで変わらない国際的な貿易関係、あらゆる場所から集まる人材、長期的な計画、そして、常に錯乱状態が続くような状況ではないことだ」

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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