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Forbes Staff

Joe Raedle/Getty Images

1月の米国大統領就任へと向かうジョー・バイデンは、副大統領としての2期目を終えた2017年当時とは根本的に異なるグローバル経済への対処を迫られることになるだろう。

バイデンがホワイトハウスを離れていたあいだに、ドナルド・トランプ大統領は中国との熾烈な貿易戦争を引き起こし、それによりグローバル経済の形が広範囲にわたって変わった。

トランプは、北米自由貿易協定(NAFTA)から脱退する方針を示し、NAFTAに代わる米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を2020年7月に発効させた。米国とカナダの交渉がまとまらなかった際には、NAFTAを早期に、つまり、代替協定が整わないまま破棄すると脅しをかけ、投資家たちを動揺させた。

さらに、就任早々、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からも離脱した。外交問題評議会(CFR)によれば、米国離脱以前のTPPは、世界最大の自由貿易協定として、グローバル経済の40%を占める勢いだったという。オバマ政権時代に加わったこの貿易協定については、ヒラリー・クリントンも反対を表明していた。

ではバイデンは、トランプが巻き起こした貿易上の大変動のすべてを反転させるのだろうか? そうかもしれないが、それには時間がかかる可能性がある。政治サイトのポリティコが8月に伝えたところによれば、バイデンの選挙対策本部は、バイデンが大統領に就任したら、新貿易協定よりも新型コロナウイルス感染症関連の救済策と「国内投資」が優先されると示唆したという。その間、未来のバイデン政権は、中国との貿易戦争に向けた統一戦線をつくるために、これまで頓挫していた同盟国との関係修復に取り組むことになるだろう。

バイデンは選挙期間中、「メイド・イン・アメリカ」税制と銘打った経済政策を唱え、米国の製造業や産業に重点的に投資すると約束した。これは、トランプが2016年の大統領選で訴えていた「アメリカ・ファースト」政策とそれほど変わらない。その点を考えると、バイデンは今後、現状の貿易協定が米国の労働者に損害を与えると主張する労働組合やプログレッシブ(進歩派)から、とりわけ大きな圧力を受けることになりそうだ。また、米国の労働者を守るうえで重要となる、鉄鋼やアルミニウムなどの産業の関税維持に向けて闘うことになるだろう。

かつてバイデンの貿易顧問を務めたトニー・ブリンケンは2020年9月、バイデンは新たな関税をまったく除外するのではなく、「必要な場合には関税を利用するが、戦略と計画に裏打ちされた形になる」だろうと話した。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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