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VCのインサイト


セクション230の撤廃を求める理由は両党の間で異なります。民主党がヘイトスピーチや誤情報の拡散防止を求める一方で、トランプを筆頭とした共和党支持者は自分たちが発信するコンテンツが不当な検閲をかけられていると主張し、そんなプラットフォームに保護は必要ないと訴えています。以前にも記事で取り上げましたが、これはあらゆる面で非常に複雑なテーマです。ヘイトスピーチや誤情報がなんらかの形で規制されるべきだという意見には、おそらくほとんどの人が賛同するでしょう。しかし、ソーシャル・メディア・プラットフォームが世界中から発信される全てのコンテンツの管理とファクトチェックを行えるかというと、おそらく不可能です。また、物事の真偽をトップダウンで決定するシステムを一度確立してしまうと、長期的に様々な問題に発展しかねません。例えば、昔の人は太陽や、月、星、他の惑星が全て地球の周りを回っていると信じていました。もし、コンテンツの規制がある中、ガリレオが全く別の主張をツイートしていたら、どうなっていたでしょうか。私たちの考える「真実」というのは時間とともに変わっていくものなのです。



こうした懸念もありますが、2大政党の意見が一致しているので、今後数年間でなんらかの変化が起こる可能性が高いでしょう。決定次第では、長期的には広範囲かつ大きな影響を及ぼすかもしれません。その可能性の1つとして、昨年末、Jack Dorsey CEOがTwitterの意思決定を集権型から分散型へ移行することを検討中であるとツイートしました。彼いわく、「情報の悪用や、誤解を招くような情報に対処するためのグローバルポリシーを実践するにあたって、集権的なやり方では、多くの人に過度の負担をかけずに長期的にスケールすることが難しい」とのことです。

GAFAの分割


GAFAを分割させるかどうかの決定もテック界にとって注目するべきポイントになります。今年の10月上旬、民主党主導の小委員会によって反トラスト法の強化を勧告する調査報告書が提出されました。同報告書では、AppleやAmazon、Facebook、Googleが独占的地位を利用し、健全な競争を妨げているという調査結果が述べられています。

同報告書が提案する新しい法律のうちいくつかは、将来的にテック企業の分割を進め、企業買収の規制強化につながる可能性を含むものです。また、現在の反トラスト法を見直し、テック企業に対する取り締まりを強化するべきだという提言も報告書に含まれています。

では、テック界への実際の影響は?この報告書自体は、新しく法案を作る際に指針として大きな影響力を持つかもしれませんが、現段階ではそれ以上の効力を持つものではありません。しかし、大手テック企業が強大になりすぎているという点では両党の意見が一致しているようなので、次の政権で何かしらの対策が施される可能性が高いでしょう。もしそうなった場合、良い点としては、スタートアップなどの小さい企業でもGAFAを相手に今よりも戦えるようになるかもしれません。マイナス面としては、GAFAが現在のように多くの企業を買収できなくなる可能性が挙げられます。

文=James Riney

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