ビジネス

2020.11.25

バイデン政権はシリコンバレーにどんな影響を与えるか?

トランプ政権による波乱万丈の4年に、2020年という異例続きの年が重なり、まさに激動の日々でしたが、最近になってようやく明るい兆しが見えてきました。振り返れば、グローバルトップニュースが毎日のようにトランプ大統領のツイートで持ちきりになるなど、本当に騒がしい4年間でした。Y Combinatorの共同創業者であるPaul Graham氏も次のように語っています。「この4年間、まるでCPUの5%を常に消費し続けるバックグラウンドプロセスを抱えているような気分だったが、やっと誰かが強制終了させてくれた」。トランプ政権の影響で余計なストレスや懸念が増え、同じように負担に感じていた人は少なくないのではないでしょうか。

「トランプ大統領リアリティーショー」のシーズン1が終わりを迎える中、テック界ではすでにバイデン政権下で起こり得る業界環境の変化について考え始めています。しかし、そもそも深い分断と世界的パンデミックに苛まれた国家を引き継ぐところからスタートしなければならないので、結局のところ、それほど著しい変化は起こらないかもしれません。実際、バイデン氏も勝利宣言スピーチで「今は国を癒す時だ」と言っていました。おそらくバイデン政権はアメリカを回復軌道に乗せるための対応で手一杯になると思われます。

いずれにしても、テック界では以下のポイントについて今後注目していく必要があるでしょう。

ソーシャルメディアの規制


最近では共和党と民主党の隔たりが大きく、意見が一致することは滅多にないようですが、「セクション230」という法律の撤廃については両党とも支持する姿勢を見せています。セクション230では、オンラインプラットフォームは「別のコンテンツ提供者が提供するコンテンツの発行者もしくは発信者とはみなされない」と定められています。つまり、この法律のおかげでFacebookやTwitterなどのプラットフォームはユーザーが投稿したコンテンツに対する法的責任を負わずに済んでいるのです。
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文=James Riney

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